鴻池新田会所(東大阪市鴻池元町、TEL 06-6745-6409)で現在、映画「駆込み女と駆出し男」のパネル展が開催されている。
鴻池新田会所は、江戸期の豪商として知られる鴻池家が開発した新田の管理・運営を行った施設。1万662平方メートルの敷地に、本屋、蔵、居宅、庭園などを備え、1976(昭和51)年に敷地が国指定史跡、1980(昭和55)年に本屋、蔵屋敷、文書蔵、米蔵などが国指定重要文化財となった。
現存する数少ない歴史的建造物群である同施設は、これまでにも映画「るろうに剣心」や「大奥」などのロケ地に選ばれている。「民家調で広い土間があり、屋根の高い構造が撮影条件に合うようで、映画関係者の間では知られている」と同施設学芸員の別所さん。
コスプレ撮影会や結婚式の前撮りに使われることも多く、「使用にはいろいろと制約を設けさせてもらっているが、制約を通じて文化財を知ってもらえるいい機会になっている」という。
「駆込み女と駆出し男」は、井上ひさしさん原作の時代小説「東慶寺花だより」を基に原田眞人監督が映画化した作品。江戸時代の離婚をテーマに、縁切寺に駆け込んできた女性たちがたくましく生きる姿と江戸時代後期の人々の暮らしや文化を描く。
縁切寺の東慶寺のシーンは、映画「ラスト サムライ」の舞台にもなった姫路市の書寫山圓教寺で撮影、鴻池新田会所では堤真一さん演じる堀切屋三郎衛門の唐物問屋の撮影が行われるなど、関西各地で撮影が行われた。
同展では、堀切屋や戸田恵梨香さん演じるじょごがかまどに火を起こすシーンなど、同施設で撮影されたシーンや撮影風景をパネルで紹介している。
入館料は、大人=300円、小・中学生=200円。開館時間は10時~16時。月曜・祝日の翌日休館。パネル展示は6月12日まで。