大阪市西区に本社のあるねじ専門商社「サンコーインダストリー」の東大阪物流センター(東大阪市本庄西)で8月30日、新型コロナウイルスワクチンの職域接種が始まった。
同社では、社員、パート、アルバイトとその家族に加え、大阪府内の取引関係者、東大阪市内の飲食店に声を掛け、合同で職域接種を計画。6月には、想定する接種会場と同じ体制とレイアウトで一連の流れを試し、課題を洗い出す模擬接種を行った。当初7月5日から1回目の接種を行う予定だったが、ワクチンが不足していることを報道で知り、実施の10日ほど前に供給が遅れることが分かったという。
その後ワクチン供給が再開し、同社では1回目を8月30日~9月4日、2回目を9月27日~10月2日に行う予定。社員、パート、アルバイトの計332人、取引先・メーカー関係者の計904人、飲食店など426人の1660人以上が同社で接種するという。
職域接種は30日10時から行われた。同社の奥山淑英社長は「7月5日に始められていたらドタバタだっただろうが、それから1カ月以上時間がたち、時間をかけて準備したので運営もおそらく問題なく進むと思う。いろんな情報が入り乱れており、正直今日のこの瞬間を迎えるまでは本当に始められるかどうか分からなかったが、今日本当に始められてよかったと思っている」と安どの表情を見せていた。
市内の飲食店との合同接種について、「東大阪市で物流センターをやっていて、地域の人を雇用している関係性上、この街に少しでも協力できることをこれまでも探し続けてきた。人と多く関わる飲食店の人には先に接種してもらいたいという思いが強く、ワクチン申し込みの代行をしている感じで接種いただいている」と奥山社長。同社で接種した飲食店には、「ワクチン接種済み」と書かれたポスターを配布するという。
30日に接種した取引先の50歳男性は「延期になったので自治体で予約を取ろうとしたが取れず、サンコーさんから8月末に打てるって話をもらっていたので、ここで受けさせてもらった。もともと早く動いてもらっていたので良かったし、ほかで予約の取れなかった社員も打たせてもらっている」と話す。