枚岡神社(東大阪市出雲井町)で12月23日、東大阪市無形民俗文化財に指定されている「注連縄掛神事(しめかけしんじ、通称=お笑い神事)」が執り行われた。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れた際、同神社の主祭神として祭る天児屋根命(あめのこやねのみこと)の祝詞と神々の笑い声が気になった天照大神が出てきたところを、もう戻らないようにとしめ縄を張り渡したという岩戸隠れの神話にちなんだ神事。笑うことで心の岩戸を開き、新しい年の開運を願う行事として執り行われている。
当日は心配されていた雨も降らず、10時ごろから神事を斎行。新しいしめ縄に付け替え、おはらい、宮司の祝詞奏上に続き、宮司の「アッハッハー」の声に参拝客らも続き、3回笑った。
昨年までは12月25日に行っていたが、今年から天皇誕生日に合わせ23日に変更。宮司が「遠方には周知徹底できていないので、あさっても笑う準備をしている。心配していたが昨年より多くの人が来てくれてうれしい」などと笑いを交えて話すなどし、場を和ませた。
「20分間笑えないという人もいるが、コツは生かされていることに感謝し、うれしい、楽しい、なんて幸せなんだろうというイメージを持つこと」といい、「20分たった時に『もっと笑いたいのに』って思わんでいいよう思いっきり笑ってください」と声を掛けスタート。宮司や巫女(みこ)、参拝客らが笑い始め、20分後に終了合図の太鼓が境内に響くと、参拝客らから拍手が湧いた。
その後は表情や笑い方などを競う笑いのコンテスト「大笑い競(くら)べ」や大道芸などのイベントが行われ、笑福汁や笑福ケーキが販売されるなど、神事終了後も境内は多くの人でにぎわっていた。
参拝するため千葉から来たという山本修さんは、「宿泊したホテルにチラシが置いてあったのを見て3年前から来ている。とても楽しい神事で家に帰ってからも笑っていられる」とにこやかに話していた。