ひな人形や市松人形の製造を手掛ける松よし人形(東大阪荒川1、TEL 06-6722-0161)が11月9日、ひな人形に使う金襴生地で和小物を作るワークショップを開催した。
1960(昭和35)年に創業し、ひな人形、市松人形、日本人形など伝統的な人形から、体を動かしたり衣装の着せ替えができたりする球体関節人形まで、さまざまな人形を製作する同社。6人の節句人形工芸士を中心に、格調高い手作り人形にこだわり続けている。
同社ではこれまで、つまみ細工を応用した小物作りなどのワークショップを開いてきた。今年は初めて東大阪ツーリズム振興機構が主催する「ひがしおおさか体感まち博」に参加し、新しい体験プログラムを企画した。
同プログラムでは、今年のひな人形約50組を展示する店内のほか、実際にひな人形を製作する工房の見学を行った。工房では参加者たちが、防虫効果のある樟を胴体部分に挟んだ「桐木胴(きりもくどう)」についての説明や、衣装の背面や裏面など見えない部分まで同じピッチで仕上げた丁寧な縫製など、職人から説明を受けながら製作工程を学んだ。
プログラムは、ひな人形の衣装に使う金襴(きんらん)生地を使った和柄マグネット作り(3個、1,500円)と、カード入れと小物入れ作り(3,000円)の2種類を用意。節句人形アドバイザーの面高定子さんは「ここでひな人形を作っているのを知ってもらいたいと、ひがしおおさか体感まち博に参加した。人形は作ってもらえないが、実際に工房で使っている生地や工具を使って体験をしていただき、実際にひな人形に添えてもらうなど大切にしてもらいたい」と話す。
カード入れと小物入れを作るワークショップでは、用意された生地から表の生地と裏地を選び、カード入れは両面テープと接着剤を使って製作。貝合わせの小物入れは3面をぴったり縫い合わせ完成させた。製作中には、縁起の良い「宝尽くし」の文様やひな人形に添えられる飾りの意味についての説明などが行われ、製作とともに文化についても触れた。
参加した中国人留学生の女性は「日本文化でひな人形がかわいいと思ったので参加した。かわいいものができて満足」と笑顔を見せる。
同プログラムは、11月13日・27日の13時~15時にも行う。参加者には、東大阪市内約80店の飲食店で使えるクーポンを進呈する。申し込みは同店まで。