第19回特別展示「世界の民俗ゲーム」が現在、大阪商業大学アミューズメント産業研究所(東大阪市御厨栄町4、TEL 06-4307-6570)で開催されている。
「日本初の余暇文化産業を研究する専門機関」という同施設。今年は、地域別にゲームを展示し、その地域発祥のゲームやその地域で広く遊ばれていたものなどを紹介する。文化の多様性、文化がほかの地域に伝わっていく様子を知ってもらおうと企画した。期間中、世界の伝統的ゲームなどの資料130点を展示する。
同施設研究員の高橋浩徳さんによると、アフリカを代表するゲームで、木の実や豆を駒として移動させるゲームの「マンカラ」は、世界で200を超す名称とルールがあるという。このほか、現在のエジプトにあったマムルーク王朝から発掘された遊戯札は4つの模様と2種類の絵札があり、その後、ヨーロッパにわたった。それぞれお国柄を反映したデザインで、フランスでは現在のトランプのデザインが誕生し、オランダでは木製でスタンプのような形をした「スラベルヤン」と呼ばれるゲームが誕生したという。
アメリカの展示コーナーでは、斜めに傾いた箱を目掛けて豆やコーンが入った袋を投げ、箱の上に載せたり穴に入れたりして得点を競う「コーンホール」、車軸などに使われるワッシャーを箱の中にある筒を目掛けて投げる「ワッシャー投げ」などを紹介。生活の中で遊ばれたものにルールが作られ、ゲームになっていったものもあり、先住民族が楽しんだというゲームも展示する。
トランプと同じ構成の「オケイ」は、トルコで伝統的に遊ばれている厚みのあるカード。欧米では少しルールを変え、「ラミィキューブ」という商品名で販売されている。古代ローマから伝わる2列の競争ゲーム「ナルド」は、ヨーロッパ方面では「タブラ」、英国では「バックギャモン」と呼ばれる。東南アジアの将棋は国によって少しずつルールが違っており、構成はチェスと同様だがルールは日本の将棋に似ているものなどがある。
同研究所研究員の高橋浩徳さんは「遊びにも知恵と工夫を凝らしていたというところを感じていただければ」と話す。
開催時間は10時~15時。日曜・祝日休館。入場無料。ファクスまたはメールでの事前予約が必要。12月25日まで。