大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)1階で現在、企画展示「アート魚拓の世界」が行われている。
東洋魚拓拓生会によると、釣り上げた魚の大きさを記録するために始まった魚拓は日本独特の文化で、現存する最古の魚拓は1839(天保10)年までさかのぼることができ、現在、山形県鶴岡市郷土資料館に所蔵されているという。「色付き魚拓」といわれていたものは、「アート魚拓」「美術魚拓」と呼ばれるようになり、海外でも注目を集めている。
魚拓には、魚体に墨や絵の具を塗り、その上に紙や布を置いて転写する「直接法」と、魚体に紙や布を置き、その上から墨や絵の具をたんぽに付けて、たたいて色を付ける「間接法」がある。
同展では、大阪市西淀川区を拠点にアート魚拓を制作・研究するサークル「東洋魚拓拓生会」の作品を展示。釣り好きだったという同会会長の松永正津さんは1961(昭和36)年に直接法魚拓を始め、1977(昭和52)年に同会を設立。日本画を教える傍らアート魚拓の教室を大阪市西淀川区で開いている。魚拓法の書籍やビデオの出版、海外での講演や実演会、作品展など、国内外で活躍する。
今回は、松永さんや同会理事・会員らの作品約50点を展示。作品は、紙をはがした後は、目玉以外は一切加筆・修正を加えないのが特徴で、二度と同じ作品には出会えない。同館指定管理者の長谷工・大阪共立・TRCグループのTRC担当部門責任者・津田朋子さんは「今回は、マカジキやアマゴなど大きな作品も多い。今にも絵の中から飛び出して泳ぎ出しそうな、躍動感あふれる作品を見に来てほしい」と話す。
開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。入場無料。3月6日まで。