ものづくりビジネスセンター大阪「MOBIO(モビオ)」(東大阪市荒本北1、TEL 06-6748-1011)で現在、2021年度の大阪製ブランド認定製品を一堂に展示する企画展「Osaka Products New Collection2022」が開催されている。
「大阪製ブランド」は、大阪府内のものづくり中小企業の優れた技術を活用した製品をブランド認証し、大阪のものづくり力のブランドイメージを高めると共に自社製品開発の促進を目的に行う府の推進事業。昨年度は87製品の応募があり、24製品を認定。2012年度から2021年度までに122製品を認定した。
認定製品の中でも特に優れた取り組みにより創出された「ベストプロダクト」には、河邊商会(堺市)の「CHOPLATE(チョップレート)」、武田晒工場(同)の布ふきん「さささ和晒(わざらし)ロール」、大栗紙工(大阪市)のノート「mahora(まほら)」の3製品が選ばれた。
「CHOPLATE」は、まな板にもなる皿で、スイーツやおつまみなどを少しだけカットして、そのまま盛り付けて食卓に出すことができる。河邊商会は、自動車関連、AV機器関連などの外装部品、内装部品などを手がけるプラスチック加工製造業で、同商品が初めての自社ブランド製品。表面に凹凸をつけるシボ加工を施すことで、ナイフで切った際の傷を目立たないようにした。
布ふきん「さささ和晒ロール」は、野菜の水を切ったり、だしを取ったりなど、何通りにも使うことができる和晒をロール状にし、キッチンペーパーのようにミシン目を入れたもの。スタンドや壁につけるホルダーも開発し、簡単に切り取って使えるよう工夫した。漂白していないため、食品にも安心して使うことができる。
ノート「mahora(まほら)」は、「白いノートは反射がまぶしく、薄い色の細い罫線は使いづらい」という発達障がい者の声から生まれた商品。中の紙は光の反射を抑えられる色の中から、レモン、ラベンダー、ミントの3色を採用し、行を識別しやすいよう、罫線は太い線と細い線を交互に印刷したものと、1行おきに帯状の薄い網掛けを印刷したものの2種類を用意する。日付の記入欄をなくし、シンプルにした。認定事業事務局の大阪産業局の奥野友紀子さんは「発達障がいの人向けに作ったノートだが、いろんな人にとって使いやすいものになった」と話す。
東大阪市内の企業では、国産天然杉を使い、時間がたってもごはんがふっくらしている常吉(渋川町2)の「大阪角丸弁当箱」、パレットハウスジャパン(水走3)の荷物を載せるパレットを家具にした「パレット古材テーブル」と、工事現場の足場に使われていた杉の板で作る「足場古材テーブル プリント」、積み木の中をビー玉が転がるように穴を開け、大人も楽しむことができる大徳木管工業(大蓮東3)の玩具「coconos(ココノス)」が認定された。
同局では現在、本年度の製品を募集している。奥野さんは「認定製品は百貨店や商業施設で展示販売をするなどのプロモーションをしている。自社製品開発に興味を持っている企業にはヒントになるのでは。どんな製品が認定されているのか見てもらいたい」と来場を呼びかける。
開館時間は9時~17時(最終日は15時まで)。土曜・祝日休館。入場無料。6月30日まで。