近鉄大阪線長瀬駅近くの「宮島ラーメンスクール」(東大阪市小若江1)で7月29日~8月2日、ラーメン店開店を目指す米国人男性がラーメンの作り方を学んだ。
2001(平成13)年に開業した同ラーメンスクール。代表でラーメンコンサルタントの宮島力彩(りきさい)さんは、CIなどを手がけるグラフィックデザイナーを経て、経営コンサルタントとして働き、後にラーメン店を開業。店が繁盛したことから、ラーメン店専門のコンサルタントとして創業し、ラーメン店の開業を目指す人への指導や不採算店舗の再建などを行っている。
元は日本人を対象に開講していたが、海外でのラーメン人気もあり、2010(平成22)年ごろからラーメンを作る体験をしたいという外国人の受講者が増えた。通常の5日~6日間の研修コースに加え、1日コースや2日コースを設定したことで、観光客の受講も増加。同スクールでは契約する通訳者が複数人おり、さまざまな国の生徒を受け入れることが可能で、宮島さんは「新型コロナウイルス感染症拡大前は、受講者の約9割が外国籍の人だった」と話す。
7月29日から5日間の研修を受けたのは、ボストン在住のシンプソン・デイヴィッドさん。「アメリカでラーメンが人気で店も増えている。日本で本格的なラーメンを習い、アメリカ北東部でスキーを楽しむ観光客向けに店を開きたいと、パートナーと来日した」と話す。シンプソンさんは来日4回目、パートナーは仕事の関係もあり40回ほど日本に来ており、気に入った店の味のようなラーメンを作りたいと受講したという。
今回の研修は5日間で、麺、スープ、タレ、チャーシューなどの作り方を学び、最終日の8月2日には研修で作った麺とスープを使い、塩ラーメン、しょう油ラーメン、みそラーメン、ビーガンラーメン、ビーガンつけ麺を試食。香味油やギョーザ作りも学んだ。
研修を終えたシンプソンさんは「新しいテクニックやレシピを学ぶことができ、うまみについても科学的根拠に基づいて説明してもらった。麺作りもできてよかった」と満足そうに話し、笑顔で修了証書を受け取った。