東大阪市が8月23日、東大阪市内にある児童養護施設の子どもたちへの支援活動を続けるダンスボーカルグループEXILEのボーカル・ATSUSHIさんに感謝状を贈った。
ATSUSHIさんは、2015(平成27)年に法務省から矯正支援官の委嘱を受けたことをきっかけに刑務所や少年院を慰問するようになり、その中で少年犯罪の多くが家庭環境に何らかの問題がある子どもであると知ったという。2019年から全国の児童養護施設への訪問を始め、2020年にはユーチューブチャンネルを開設。その収益金を児童養護施設への支援に充てている。
東大阪市役所本庁舎1階ロビーで行われた感謝状贈呈式に出席したATSUSHIさんは「個人的にしていた活動なので表彰いただくのはおこがましいと思ったが、僕らと何も変わらない状態で生まれたのにも関わらず、親御さんの事情などで両親と一緒に住めない子たちがいるということを少しでも皆さんに知っていただくきっかけになればと、恐縮ながらこの場に足を運ばせていただいた」とあいさつ。野田義和東大阪市長は、ATSUSHIさんが東大阪市内の養護施設・若江学院へ複数回にわたり訪問したことに対し、「市がすすめるみんなで支え合う福祉のまちづくりに多大に寄与した」として、感謝状を贈呈した。
若江学院訪問について、ATSUSHIさんは「どういうきっかけで児童養護施設に足を踏み入れたらいいか分からない部分もあったが、共通の知人がいたので勇気を出して訪問してみたいと伝えた。(節分に)恵方巻きをプレゼントしたり、クリスマスに小さいライブをしたり、できる限りで子どもたちとコミュニケーションを取らせていただいている」と話す。
子どもたちとの触れ合いで印象に残っていることを聞かれると「一緒にいる時は楽しい時間だが、帰る時間が近くなってくると中には寂しそうにしてくれる子どももいて。一番グッときたのは、ATSUSHIくんの家に帰るって言葉で、連れて帰ることもできないし、また会いに来ないとと思った」と振り返る。
今後の活動について、ATSUSHIさんは「一人の近所のお兄ちゃんが自分たちのことを気にかけてくれてるんだって思ってくれるだけで行きがいがある。普通の家庭にいたら感じられるであろうクリスマスパーティーとかケーキを食べるということとか、そういう当たり前のことを少しずつしてあげられたら」と話す。