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好きな司馬遼太郎作品アンケート、1位は「坂の上の雲」 若年層と女性は「燃えよ剣」

司馬遼太郎記念館の上村洋行館長

司馬遼太郎記念館の上村洋行館長

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 司馬遼太郎記念財団(東大阪市下小阪)が1月11日、昨秋インターネットで行った「好きな司馬作品」アンケートの結果を発表した。

好きな司馬作品上位10作

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 今年8月に司馬さんの生誕100年を迎えるに当たり、今の傾向をつかみ、次の世代にどんな作品を送ればいいか考えたいと、全国の読者を対象に「好きな司馬作品」アンケート調査を実施。小学4年生から94歳までの1567人から回答を得た。実施期間は昨年10月1日~11月15日。

 好きな司馬作品ランキング1位は「坂の上の雲」、2位は「竜馬がゆく」、3位は「燃えよ剣」で、上位3作品が総回答数の約半数を占めた。4位「街道をゆく」、5位「峠」、6位「花神」、7位「国盗(くにと)り物語」、8位「菜の花の沖」、9位「関ヶ原」、10位「世に棲(す)む日日」と続く。

 男女別のランキングでは、女性1位は「燃えよ剣」、2位「坂の上の雲」、3位「竜馬がゆく」で、「燃えよ剣」への回答は女性全体では20.9%だったのに対し、男性の支持は7.2%にとどまった。年代別ランキングでは、10代~30代の1位が「燃えよ剣」、40代~80代以上の1位が「坂の上の雲」という結果だった。

 次の世代に薦めたい作品は、1位「坂の上の雲」、2位「竜馬がゆく」、3位「街道をゆく」で、5位に「二十一世紀に生きる君たちへ」がランクインした。複数の作品を挙げる人が多く、7位は「すべての作品」だった。

 結果について、司馬遼太郎記念館の上村洋行館長は「作品名は記述式で79作品が挙がった。長編作品39作品のうち、35作品の名前が挙がり、長編作品への関心が高い。自由回答にした項目で、その作品が好きな理由、いつ頃読んだか、読み返すことはあるか、次の世代にお薦めの作品には8割ほどの人が熱を持って記入してくれて勇気づけられた」と話す。

 上村館長は「それぞれの時期の日本人像、日本人とは一体何か、日本とは何か、人間とは何かが司馬の関心事で、それを答えていくのが自分の作品だった。今の時代の人が失ってしまっているものを司馬作品から読み取っている人も多い。二十一世紀に生きる君たちへは、長編小説を書くぐらいのエネルギーを費やした作品。今の混迷の時代にどういう指針を持って動けばいいのか、ぜひ読んでもらいたい」と呼びかける。

 アンケートの結果と合わせ、各出版社のデータを元に司馬作品の発行部数を発表。1位は「竜馬がゆく」で2496万部、2位「坂の上の雲」1987万部、3位「街道をゆく」1224万部など。初期の記録は残っていないものがあるため概数となるが、紙と電子書籍のダウンロード数を合わせた累計発行部数は2億673万部に達している。

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