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司馬遼太郎記念館で生誕100年企画展 「司馬の視点から広がる世界感じて」

小説やエッセイの初出紙54点を印刷したタペストリー

小説やエッセイの初出紙54点を印刷したタペストリー

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 来年8月に生誕100年を迎える司馬遼太郎さんの作家活動の軌跡をたどる企画展「生誕100年 司馬遼太郎の視点」が現在、司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で開催されている。

展示の様子

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 司馬さんは新聞記者時代後年から作家活動を始め、1956(昭和31)年に「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞を受賞し、名が広まった。同展では、新聞記者時代の自筆原稿や、初公開の「街道をゆく 三浦半島記」第1回「武者どもの世」自筆原稿、文化勲章など、初公開2点を含む75点を展示する。

 「作品の批評・批判はせず、誰もが楽しめる小説を」と、作家で住職の寺内大吉さんとともに創刊し、多くの直木賞作家を輩出した文芸同人誌「近代説話」では、司馬さんの「戈壁の匈奴(ごびのきょうど)」が掲載された同誌の第1集を展示する。

 同館の上村洋行館長は「創作活動の視点、物の考え方や見方を紹介し、視点の延長線上にある世界、小説や随筆だけでなく、座談、対談、作品から派生する映画やドラマなど、司馬の視点から広がった世界にどういうものがあるか、どれほどの分野に及んでいるかを狭い展示空間だが来館者に感じ取ってもらいたいと企画した」と話す。

 壁面には、司馬さんが対談をした98人、104テーマをパネルで展示。対談相手は作家や学者のほか、岡本太郎さんや宮崎駿さん、松下幸之助さんなど幅広い。縦3.4メートル、横2.5メートルのタペストリーには、小説やエッセイなどの初出紙から54点の切り抜きを組み合わせて印刷した。上村館長は、「身内だから意識していなかったが、多方面に関心があり、今になって司馬作品の大きさを感じた」と話す。

 開館時間は10時~17時。月曜、12月28日~1月4日休館。入館料は、大人=500円、高・中学生=300円、小学生=200円。5月14日まで。

 来年2月12日には、「第26回菜の花忌シンポジウム」を東大阪市文化創造館(御厨南2)で開催。作家の安部龍太郎さん、門井慶喜さん、木内昇さん、国際日本文化研究センター教授の磯田道史さんをパネリストに迎え、「生誕100年 司馬作品を未来へ」をテーマに、これからどのように司馬作品が読み継がれていくのか、次世代の読者にどのようなメッセージが伝えられるのかを語る。参加費1,000円。事前申し込みが必要。詳細は同館ウェブサイトで確認できる。

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