司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で1月28日、作家・司馬遼太郎さんの命日「菜の花忌」を前に、菜の花の鉢植えと切り花の飾り付けが行われた。
司馬さんが野に咲く菜の花が好きだったことや、小説「菜の花の沖」にちなみ、司馬さんの命日である2月12日を「菜の花忌」と命名。同館では、開館翌年の2002(平成14)年の命日前後に菜の花の切り花を飾り始め、同館の提唱により2004(平成16)年には「春一番に菜の花忌の会」が発足。地域住民や事業者らが参加するようになった。
今年は、自治会、学校、郵便局など42団体が参加。近鉄・河内小阪駅、八戸ノ里駅から同館までの道筋や学校、公園などに約1650個のプランターを設置し、明るく黄色い菜の花が街を彩る。同館では鉢植えやプランターのほか、毎年指宿市民から贈られる約600本の切り花を飾る。
1月28日は大阪府立布施高校の自治会に所属する生徒が同館を訪れ、菜の花の鉢植えやプランターを設置した。2年生の和田真羽人さんは「毎年している行事に布施高校の生徒として関われて誇りに思う。偉大な作家の行事に関われてうれしい」と話す。
毎年命日には、東京と大阪で交互にシンポジウムを開いており、今年は初めて同館からも近い東大阪市文化創造館(御厨南2)でシンポジウムを開催する。
上村洋行館長は「今年は比較的早く咲いて、ちょうどいい菜の花忌シーズンになる。シンポジウムを東大阪で開くのは初めてで、全国から来られる人が菜の花を見る。今年の菜の花はいつもより元気があり、生誕100年の節目の年にふさわしい雰囲気を出している。元気な花を書斎前に飾ることができてうれしい」とほほ笑む。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=500円、中高生=300円、小学生=200円。菜の花飾りは3月下旬まで。