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東大阪の旧河澄家で「押し花展」 「身の回りにある自然に目を向けて」

押し花作家・インストラクターの來田容子さんと來田さんの作品

押し花作家・インストラクターの來田容子さんと來田さんの作品

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 企画展「押し花展」が現在、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で開催されている。

花の作品や風景を表現した作品が並ぶ

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 東大阪市在住で「アートスタジオ万葉」「万葉押し花倶楽部」代表の押し花作家・來田(らいた)容子さんと生徒の作品を展示する同展。來田さんは釣り師だった父・仁成さんとよく山や海に遊びに行き、幼い頃から摘んだ花を押し花にするなど、押し花に興味を持っていたという。

 來田さんの子どもには先天性の疾患があり、働きに出ることが難しかったため、押し花インストラクターの資格を取って2000(平成12)年に自宅で押し花教室を開始。その後は東大阪市に講師登録をし、市民講座で21年間講師を続けているほか、大阪市内でも教室を開き、押し花の魅力を発信し続けている。

 会場には、來田さんと生徒の作品約40点を展示。押し花でそのまま花を表現する作品のほか、小さな押し花や葉を組み合わせて絵画のように仕上げた作品などが並ぶ。「花は自分の家の庭や散歩道の雑草など、お金をかけずに身近なものを使っている。押し花をしていなかったら通り過ぎていた雑草にも気を留めるようになり、年配の受講者の方は散歩が楽しみになったと話している」と來田さん。生徒は1カ月に1回の受講で、3回から5回で1つの作品を仕上げており、「最高齢の90歳の方はじっくり作って、若い人とは違う、味わいのある作品を作っている」という。

 作品には花だけでなく、小芋やナス、ミカンの皮や、レタス、高菜など、野菜や果物も使うという。來田さんは「料理をしていたら、この皮は使えるんじゃないかと思ったり、生徒さんが持ってきたもので、これ使えるんやって思うものがあったりする。野菜は一度水分を抜くなど一手間かかるが、捨てるものを使うというのは今の時代に合っているのでは」と話す。作品の構図は、「この花をどう使おうかなと考えることから始めている。風景画などは写真を参考にしながら制作している」という。

 來田さんは「作品を見てもらい、身の回りにある自然に目を向けてもらえたらうれしい。思いがけない素材を使っている作品もあるので探してもらえたら。見たことのある花がこんなにきれいに残ることを知ってもらい、見て癒やされてほしい」と呼びかける。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。7月17日まで。

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