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国際児童文学館で「子どもたちの万博」展 1970年発行の児童向け万博本展示

児童向けの万博案内本

児童向けの万博案内本

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 1970(昭和45)年に発行された子ども向けの本や雑誌で大阪万博を振り返る展示「子どもたちの万博(EXPO'70)」が現在、大阪府立中央図書館 国際児童文学館(東大阪市荒本北1)で開催されている。

児童雑誌や子ども向けの漫画雑誌では万博の特集が組まれた

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 2025年に開催が迫る大阪・関西万博を盛り上げようと同館が企画した。1970年に日本で初めて開催された万国博覧会(通称=大阪万博)は、「人類の進歩と調和」をテーマに3月15日から9月13日まで開かれ、6400万人を超える人が来場した。同展では、多くの人が熱狂した大阪万博を当時の子ども向け雑誌や書籍41点と、1970年に発行された絵本10冊で振り返る。

 当時の万博の本や雑誌は、万博に行く前の予習や、行けない子どもたちが情報を得る手段として活用されていたといい、故赤塚不二夫さんの漫画のキャラクターが万博を紹介する「ニャロメの万博びっくり案内」は、「ある資料によると、当時、赤塚漫画が人気で子どもたちのバイブルのような本だったよう」と同館室長の武田麻美さん。児童向けの学習用冊子「わたしたちの万国博読本」は、中学生向け、高校生向けも発行されており、「展示を見た来館者が学校で配布されていたものだと言っていた」と話す。

 漫画雑誌の「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」「冒険王」「週刊少女フレンド」などでは、たびたび万博特集が組まれており、パビリオンや会場を一周するモノレール、透明チューブの中を歩く「動く歩道」の記事が目立ち、「花形だった外国パビリオンのホステスや、当時流行していた記念切手の特集など、当時の事情が分かる」という。学習研究社の「学習」と「科学」には、宇宙開発やロボット社会、海底牧場などの記事があり、「大変な時代だったが、科学できっとうまくいくに違いないという空気があった気がする」と武田さん。

 同館では会期中、大阪万博の思い出を募集し館内に掲示。全パビリオンを見たくて11回行ったという人や初めて外国人を見たという人、太陽の塔での立てこもり事件、自身はまだ生まれていないが両親から聞いたエピソードなど、さまざまな思い出が寄せられている。武田さんは「万博は一人一人が主役。それぞれの幸せな家族の様子が見えてくる」と話す。

 「当時の資料が多くあるのでこの機会に見てもらい、文学以外の資料もあると知ってほしい。期間中はショーケース内で展示をしているが、終了後は館内で手に取って読むことができるので、展示を見た後にもまた来てもらえたら」と呼びかける。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。9月3日まで。

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