フォトスタジオ&レンタルスペース「すずや古今(ここん)」(東大阪市東石切町2)が9月10日、石切参道商店街内の石切不動明王前にオープンした。
石切劔箭(つるぎや)神社前の「お食事処 すずや×石切丸」(東石切町1)を営む「すずやこにし」(同2)が運営する同施設。すずやこにし社長・小西学さんの曽祖父が100年以上前に立てた自宅を飲食店や婦人服飾店として活用してきたが、2018(平成30)年に「お食事・甘味処 石切丸」を閉店してからはそのままになっていた。同施設は、同所を改装して使う。
石切エリアでは、2015(平成27)年春ごろからオンラインゲーム「刀剣乱舞」のファンの来街が増え、海外を含む遠方から人が訪れるようになった。小西さんは「参道商店街は生きた昭和のまちで、なごむ、落ち着くといった声が多く、日本文化を発信し、石切を堪能してもらうスペースをつくりたいと当時から思い描いていた」という。
小西さんは「この建物は当時の宮大工衆がくぎを使わず、昔の工法で建てた。改装に当たり、建物の柱や梁(はり)などはそのまま使い、当時の雰囲気を再現した。調度品は高価な物ではないが、自宅や店にあった物、近所の人からもらった物など、生活で使ってきた物」と話す。土壁に入れる芯材の竹小舞を外壁に使ったスペースや、砂紋が描ける庭、ウッドデッキを新たに設けた。
レンタルスペースは、大広間、茶室、離れ洋室、離れ和室で、2時間から借りることできる。大広間と茶室の化粧室、居間、キッチン、離れの洗面台、台所は共同利用。2時間の利用料金は、大広間=1万円、茶室=5,000円など。同施設ではスペース貸しだけでなく、主催イベントも行う。
小西さんは「改装をしている時に、この建物は昔から多くの人が集まる場所だと地域の人から声をかけてもらった。のんびりした雰囲気の中で、コスプレやお気に入りのぬいぐるみの撮影、推し活など、趣味の時間に使ってもらえたら」と話す。
貸し切り利用がない日は、飲食店として営業する。もち麦ご飯、地卵3つ、ご当地おでん、みそ仕立ての鳥吸い、自家製のだししょうゆ、トリュフ塩、釜揚げしらすのアヒージョオイル風をセットにした「たまごかけごはんセット」(1,200円)、参道のジェラート店「totonoi」(西石切町1)のジェラートをのせた和束産抹茶と、吉野本葛の葛餅、団子をセットにした「石切丸のお茶会セット」(1,100円)、コーヒー(400円)などを提供する。飲食店の営業時間は11時~16時。月曜・火曜定休。