企画展示「司馬遼太郎-生誕100年-」が現在、大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北1、TEL 06-6745-0170)1階展示コーナーで行われている。
大阪府立中之島図書館所蔵の「国盗り物語 第一巻」と「白い歓喜天」
8月7日に生誕100年を迎えた司馬遼太郎の著作や評伝などの資料を集めた同展示。同館人文系資料室室長の武智加奈子さんは「司馬さんは東大阪に長く住まれていたので、地元にある図書館で展示すべきと企画した」と話す。
同展では、同館で所蔵する小説や「街道をゆく」などの紀行文、評論、随筆、対談集、司馬遼太郎について書かれた作家研究や評伝など、約400冊を集めた。「展示が始まってからは『街道をゆく』や対談の本がよく借りられている。外国語に翻訳されている作品の中にモンゴル語の書籍があるのは、ほかの作家と違う点では」と武智さん。
ショーケースには、司馬遼太郎名での献呈署名のある「国盗り物語 第一巻」と本名の福田定一の署名がある「白い歓喜天」、司馬遼太郎が大阪府立国際児童文学館第2代理事長就任後に寄せた文章を掲載する「大阪国際児童文学館ニュース」No.6を展示する。
開催に当たり同館では、同館と大阪府立中之島図書館の司馬遼太郎作品の貸し出し回数を集計。同館が開館した1996(平成8)年5月10日から今年8月3日までの期間、個人利用者に貸し出した作品が対象で、司馬遼太郎記念財団が昨年行った「好きな司馬作品」アンケートのランキングの一部とともに掲示する。貸出回数ランキングは、1位が「坂の上の雲」、2位が「竜馬がゆく」、3位が「花咲ける上方武士道」で、30位まで発表している。壁面には、年譜や司馬遼太郎と大阪府との関わりをまとめたパネルも展示する。
武智さんは「地元の作家なのに、あまり司馬さんの企画展を開いてこなかった。地元の人に、こんなすごい作家がいたと再認識してもらい、作品を見つめなおしてもらう機会になれば」と話す。
開催時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休催。10月1日まで。