近鉄奈良線河内小阪駅高架下の「栗林書房 レッド小阪店」(東大阪市小阪1、TEL 06-6724-1200)が来年1月17日に閉店し、1月22日から現・外商部で営業を再開する。
1932(昭和7)年、現社長・栗林秀一さんの祖父・秋治郎さんが長瀬で古書店を創業。その後、河内小阪に本店を移し、文庫の店など河内小阪駅前に3店舗と、東大阪市内や大阪市、西宮市にも店舗を増やした。小阪エリアに住んでいた司馬遼太郎さんが生前、よく利用していた店で、「司馬さんは文庫の店によく来られていた。資料など、注文いただいた書籍の配達もしていた」と話す。
河内小阪駅の高架化に伴い、1978(昭和53)年に開業した高架下のテナント街「レッド小阪」にオープンした「レッド小阪店」。栗林社長は大学卒業後、同社に入社し、京橋の店舗に勤務。20年前ごろから店舗を河内小阪駅周辺にしぼり、栗林社長は2005(平成17)年ごろ小阪の店に移った。
「この規模の書店ではコミック、雑誌、文庫本に絞りがちだが、大学も近くにあるので、少し動きが鈍くても専門書など堅めの本も置き、創業時からのモットーである『知性と教養に奉仕する』に沿った品ぞろえを心がけている。店の大きさの割に児童書が多いのは、後に自発的に本を読んでほしいとの思いがあるから。駅前の立地で老若男女が来店するので、何かしら手にとってもらえる物、知識欲に応えられるような物をそろえている」と栗林社長。
近年は、駅前の立地を生かした販売キャンペーンや著者を招いたトークイベント、大阪樟蔭女子大学生との販促企画、手描きのフリーペーパー「くりばやしだより」の発行など、さまざまな取り組みを行ってきた。「樟蔭の学生の企画で予想以上に本が売れたり、昨年から参加している書店を通じて子どもたちに本を贈るブックサンタで当店から寄付をしてくれる人が多かったりと、まだまだやれることはある。店舗規模は縮小するが辞める気はないし、小阪周辺で次の店舗の候補地も探している」と意欲を見せる。
レッド小阪店は1月17日に閉店し、1月18日~21日は学習参考書を販売する外商部の商品を入れ替え、1月22日から営業を再開する。
営業時間は、月曜~土曜=9時~20時、日曜・祝日=10時~19時。