東大阪市役所1階ロビーで12月26日、干支(えと)の「卯(う)」を描いたグラフィックフェンスから「辰(たつ)」デザインのフェンスに交換する干支引き継ぎ式が行われた。
干支を描いたグラフィックフェンスの展示は、2021年の「丑(うし)」から始まり4年目。グラフィックフェンスは、東大阪に工場を構えるひし形金網製造会社「共和鋼業」(大阪市)と近畿大学文芸学部文化デザイン学科の産学連携で生まれた物で、白い金網にチューブを取り付けて絵や文字を表現できる。
共和鋼業の森永耕治社長は「金網は本来、仕切りに使うものだが、グラフィックフェンスはみんなで作品を作り、ここは自分が取り付けたと思い出話ができるコミュニケーションツール。逆につながるという新しい意味が加わった物」と話す。最近はイベントやワークショップを開催する機会が増えたという。
展示するグラフィックフェンスは、幅1.5メートル、高さ1.9メートルの白色の金網に、黒いチューブ約1200ピースを取り付けて完成させた物で、「辰」デザインは、同学科非常勤講師の前田大介さんが手がけた。11月に開催されたオープンファクトリー「こーばへ行こう!」では共和鋼業のプログラムに340人が参加し、参加者が1つずつチューブを取り付け完成させた。
干支の引き継ぎ式では、「ものづくりのまち東大阪らしく、ものづくり製品で引き継ぎ式を」と、「卯」デザインのフェンスと「辰」デザインのフェンスを並べて展示した。「辰」のフェンスは1年間展示する。
展示したフェンスを見た森永社長は「僕は辰年生まれ。登り竜のようで迫力があってかっこいい。元の絵の再現性が高い」と話す。「公共の場なのでワークショップに参加した人が見に来られるし、フェンスを見た人が来年の『こーばへ行こう!』に参加してくれたら」とも。