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東大阪・旧河澄家で阪口真智子さん「鬼の墨彩画展」 「見て心を軽くして」

鬼を描く墨彩画家の阪口真智子さん

鬼を描く墨彩画家の阪口真智子さん

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 企画展示「鬼の墨彩画展」が現在、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で開かれている。

奥座敷「棲鶴楼」の床の間に展示する作品

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 東大阪市出身・在住の墨彩画家・阪口真智子さんが制作を手がける、鬼の墨彩画作品を展示する同展。1952(昭和27)年生まれの阪口さんは小学生のころ画家になることを志し、その後、親の希望で薬学の道に進むも絵を描き続けた。描き始めた当初は人物画を手がけていたが、肖像画を描いた際にモデル自身が思う自分像と阪口さんから見たモデル像のギャップが人間関係に溝を生んでしまうと感じ、想像上の「鬼」の絵を描くようになったという。

 会場には、墨と絵の具で描いた作品47点を展示。阪口さんの作品には、笑ったり、照れたり泣いたりする表情豊かな鬼に言葉が添えられている。「自分が口に出していうと人を傷つけてしまうと思うことを書いているものもあれば、人にかけてあげたい言葉もある。筆を動かして鬼が描けた時に、『何言いたいん?』と絵に話しかけて出てくる言葉もあれば、理不尽なことがあった時に言葉が頭の中でぐるぐるして、どんな顔で言うか考えて鬼を描くこともある。旅行先で見たカエルが絵に登場するなど、作品は私の日記のようなもの」と話す。

 「毎日毎日がんばるおれ。自分で自分をほめてやりたいがおまえがほめてくれたらもっとうれしい有頂天。ずっともっともっとがんばれる。ほんとだよ」と添えられた作品は、「自分で自分をほめたら何言ってんねんって言われそうやけど、ほめてもいいやんかってことはいっぱいあるよねって気持ちで書いた」と阪口さん。「40は40のときめき 60は60のときめき 80は80のときめき 鬼はいくつになってもときめき忘れず」と書いた作品には、「だんだん年がいって先が見えへんわって人がこれを見て、また元気にならないと、と思ってくれたら」と思いを込める。

 「普通に生活をしていたら一方向から見ることが多くなるが、自分が嫌いな人でもその人のことが好きだという人もいる。違う角度から見てみると良い面も見つかるし、そうなると心も軽くなる。展覧会に来た時は鬱々(うつうつ)としていた人が絵と言葉を見て、晴れやかになって帰ってくれるとそれが一番うれしい。」と阪口さん。「仕事に行き詰まっている人や、人間関係で心が傷ついている人たちに作品を見てもらいたい。緊張が解けたら違う世界が見えるので、私の作品を見てスッキリしてもらえたら」とも。

 開催時間は9時30分~16時30分、月曜休館。入館無料。2月12日まで。

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