司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で1月27日、作家・司馬遼太郎さんの命日「菜の花忌」を前に、菜の花の鉢植えと切り花の飾り付けが行われた。
司馬さんが野に咲く菜の花が好きだったことや、「菜の花の沖」という小説があることから、司馬遼太郎記念財団では司馬さんの命日である2月12日を「菜の花忌」と命名。同館では、開館翌年の2002(平成14)年の命日前後には回廊に菜の花の切り花を飾り、2003(平成15)年には書斎前や庭にもプランターを設置。同館の提唱により2004(平成16)年には「春一番に菜の花忌の会」が発足し、地域住民や事業者らも菜の花を育て、街に飾るようになった。今年で20回目を迎える。
今年は、自治会や学校、東大阪市、郵便局など42団体が参加。近鉄・河内小阪駅、八戸ノ里駅から同館までの道筋や学校、公園などに約1700個のプランターを設置し、黄色い菜の花が街を明るく彩る。記念館内にはプランターのほか、毎年、指宿市民から贈られる約600本の菜の花を飾る。
上村洋行館長は「最近、自分たちの住んでいる街への関心が薄まっているように感じる。菜の花が街に関心を持つきっかけになれば。大人になって遠くに行っても、東大阪のこの街に菜の花があったと、生まれ育った街を思い出してもらえたら」と話す。「街に菜の花を咲かせよう 2.12 菜の花忌」運動が始まってから20年目を迎え、「司馬遼太郎という人と精神を先に伝えていきたいということに大きな応援をいただき、活動を後押しくださっているという気持ちを持っている。感謝と共に勇気づけられている」とも。
活動に参加した大阪府立布施高校2年の大川藍さんは「10月ごろ種をまき、20プランター以上育てた。毎年この辺りでプランターが置かれていてきれいで、司馬さんの好きな花なので街が盛り上がればいいなと思って育てた」と話す。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=500円、中高生=300円、小学生=200円。菜の花は3月中旬ごろまで楽しめる。