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東大阪・旧河澄家で「桃の節句展」 100年以上前のひな飾りなど10組

趣のある同館に展示する七段飾り

趣のある同館に展示する七段飾り

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 企画展示「桃の節句展」が現在、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で開かれている。

105年以上前に製作されたひな人形

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 3月3日の桃の節句の時期に合わせ、2017(平成29)年から開催する同展。江戸時代初期の様相を残す主屋に地域の家庭などから寄贈されたひな飾りを展示し、毎年、地域の人々の目を楽しませている。

 学芸員の前野さゆりさんは「昨今は七段飾りを飾る家も少なく、毎年、学習の一環として小学1年生の児童が見に来てくれている。ひな人形の伝統を伝えながら、旧河澄家を訪れてくれる人の健康と幸福を願って展示している」と話す。

 今年は、七段飾りをメインに10組のひな飾りを展示。同館では、日本古来の並べ方である「京雛(きょうびな)」に倣い、上座である向かって右に男びな、左に女びなを並べる。

 今年は、学芸員が寄贈した人を取材してまとめたパネルを設置。「百年雛」として毎年展示するひな人形は、寄贈した日下在住の70代女性の母親が1919(大正8)年に誕生した際に購入。105年以上前に製作されたという。戦時中は淡路島に疎開をしていたため、ひな人形も無事だったと記されている。

 1970(昭和45)年に誕生した娘のために、生まれた翌年に購入したという七段飾りには、ひな人形を選んだポイントとして「金屏風に絵が描かれているのが良かったこと、おひなさまの顔がキレイだったこと」と書かれている。「ひな人形を購入した人は、春場所に来ていた横綱と無料で写真を撮ることができた」など、当時のエピソードもつづられている。

 ほかにも、関東雛と京雛の並べ方や御所で庭掃除などをする「仕庁(じちょう)」の持ち物の違い、左近の桜と右近の橘(たちばな)、雛調度などについて解説するパネルが並び、ひな壇に飾られている人形や道具それぞれについて学ぶことができる。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。3月10日まで。

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