近鉄奈良線瓢箪山(ひょうたんやま)駅近くにあるクラフトビール醸造所「瓢箪山ビール」(東大阪市神田町5、TEL 0729-29-9015)で現在、オリジナルビール製造依頼の注文が増えている。
代表の北林徹也さんは東大阪市出身。京都大学農学部で発酵を学んだことから酒に興味があり、2020年4月まで塾講師をしていたが、ビールが好きで造り方を学ぶようになり、2021年2月、石切でクラフトビール工房「BYCブルーイング」を開業した。
新型コロナウイルスの影響で卸先の飲食店が営業できず、「思い通りにいかない日々が続いた」と北林さん。2022年12月には現在の場所に移転し、醸造所名を「瓢箪山ビール」に改め、再スタートを切った。自社ブランドでは現在、ゴールデンエールとペールエール、2種類のビールを製造している。
昨年10月には、同醸造所から出る麦芽かすを使って繊維を染める取り組みを展開している「福井プレス」(西石切町6)から、新規事業披露の際に出す、アボカドの皮を使ったクラフトビールの製造を依頼された。アボカドのクラフトビールは好評で、小ロットでオリジナルビールを造れることを知った企業の社長から自社のオリジナルビールを造ってみたいと声が上がったことをきっかけに、昨年12月からは個人からのオリジナルビールの受注も始めた。
瓢箪山ビールでは2月17日、地元企業8社のオリジナルビールを集めた品評会を行った。木工製品メーカー「虹紙製作所」(永和3)は桜の木を使ったビール、橋本たたみ店(下小阪1)はイグサ、藤田珈琲(高井田)はコーヒーを使ったビールなど、各社の業種やイメージに合わせたユニークなビールが並んだ。
オリジナルビールの製造を依頼した虹紙製作所の和田英男さんは「ウイスキーや燻製(くんせい)などのように何かしら香り付けができるのではと、桜の木を使うアイデアを出し、北林さんがヒアリングを基にビールを造ってくれた。思った以上の出来栄えで、こういう形で木の活用ができるんだと思った」と話す。
オリジナルビール製造は1ロット48本から注文を受け付ける。料金は、ビール48本と原材料ラベルの貼り付け料込みで5万円。表面ラベルのデザインや印刷は別途追加料金が必要となる。
北林さんは「現在は個人の注文が多いが、出展企業が集まれば4月末ごろに第2回品評会を開催したい」と意欲を見せる。