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「DG TAKANO」が東大阪の工場で商品販売 洗剤不要の食器、アウトレット品も

DG TAKANOの高野雅彰社長

DG TAKANOの高野雅彰社長

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 節水製品メーカー「DG TAKANO」(東京都台東区)が6月15日、大阪工場(東大阪市若江東町4)内にファクトリーストアをオープンする。

一部をファクトリーストアとしてオープンするDG TAKANO大阪工場

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 IT会社勤務を経て、父の経営する工場の一角で2008(平成20)年に起業した高野雅彰社長。家業は祖父の代から続く業務用小型ガスコックの製造販売を手がける会社で、「自分は3代目に当たるが、家業を継ぐつもりはなかった」と話す。「どんな事業をしようか、世界は何に困っているのか、日本だけでなく世界で売れるものは何かを考えた。世界中で水不足の問題があり、将来はもっと深刻になる。水を作ることはできないが節水製品ならできる」と、工場にあったNC旋盤加工機を使い、父がガスコック製造で培った切削加工の技術と自身が書いたプログラムで蛇口の先端に取り付ける節水ノズルの試作を始めた。

 開発を始めてから1年弱で、最大95%節水できるノズル「Bubble90」が完成した。高野社長は「2009年にドイツ・ベルリンで開催された水ビジネスの展示会に出展したところ高評価を受け、その年の『超』モノ作り部品大賞の大賞も受賞したため大手企業に売り込みにもいったが、まったく売れず、2013年には会社がつぶれそうだった」と振り返る。その後は営業先をレストランに変え、サンプルを渡して試してもらい、そこから一気に売り上げを伸ばした。現在は、レストランやスーパーなど、4万1000カ所で約30万個が導入されているという。

 昨年5月には、消費者向けの新ブランド「meliordesign(メリオールデザイン)」を立ち上げ、洗剤もスポンジも使わず油汚れを落とすことができる皿の販売を始めた。髙野社長は「日本のものづくりは持っている技術を使って何かを作ることが多いが、私たちがやりたいことは節水。家庭用の蛇口はさまざまなタイプがあるので、ノズルではなく、蛇口の相方である皿を作った。近い技術を持った会社と共同開発し、瀬戸焼の陶磁器に表面改質技術を施し、食器を洗う時間を削減することで節水につなげた」と話す。メリオールデザインの食器(1,430円~)は現在、12種類をラインアップする。

 6月15日には、同社が商品開発をする工場の一部をファクトリーストアとしてオープン。メリオールデザインの食器、「Bubble90」を搭載した家庭用水栓(9万9,000円)の実物を展示販売するほか、規格外のメリオールデザインの食器をアウトレット品として販売する。

 当日から販売を開始する「メリオールデザインシート」は、ウエットティッシュのようなシートで、食器を拭くことで汚れ落ち機能を付与する物。ストアのオープン記念企画としてシートの無料体験会も開く。体験会の開催時間は、10時~11時、13時~14時。定員は各回20人程度。1人4枚まで自宅の陶磁器の食器を持ち込める。参加には事前予約が必要。メリオールデザインのウェブサイトで受け付ける。

 高野社長は「環境を守りたい人や、アレルギーなどがあり洗剤を使いたくない人、食器洗いが嫌いな人たちに来てもらいたい。今後も定期的にイベントができれば」と話す。

 ファクトリーストアの営業時間は10時~19時。日曜定休。

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