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鉄道車両の方向幕を再現したアプリ、第1弾は近鉄奈良線 近鉄が監修

「くるくる回そう!方向幕コレクション for Nintendo Switch 近畿日本鉄道編 PART1 近鉄奈良線 鉄道方向幕シミュレーター」を開発したカエルパンダの奥田覚社長

「くるくる回そう!方向幕コレクション for Nintendo Switch 近畿日本鉄道編 PART1 近鉄奈良線 鉄道方向幕シミュレーター」を開発したカエルパンダの奥田覚社長

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 近鉄車両の方向幕を再現して遊ぶアプリのダウンロード回数が9月12日、想定の5倍を達成した。

「くるくる回そう!方向幕コレクション for Nintendo Switch 近畿日本鉄道編 PART1 近鉄奈良線」画面

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 9月5日に配信を開始した同アプリは、「くるくる回そう!方向幕コレクション for Nintendo Switch 近畿日本鉄道編 PART1 近鉄奈良線 鉄道方向幕シミュレーター」。鉄道車両の方向幕をニンテンドースイッチ上で再現したシミュレーターアプリシリーズの第1弾。ゲームやアプリの開発・販売を手がけるカエルパンダ(東京都練馬区)が開発した。

 社長の奥田覚さんは東大阪・瓢箪山の出身で、20年前まで東大阪市内に住んでいた。子どもの頃から電車好きで、「父が紙箱で作ってくれた方向幕でずっと遊んでいた。父の仕事場がある奈良について行くなど、いつも近鉄奈良線に乗っていた」と話す。同社は元社長で奥田覚さんの妻が起こした会社だが昨年、経営危機に陥ったことから奥田さんが引き継いだ。元社長は現在、スキルを生かして他社へ勤めに出ているという。

 奥田さんは「会社を立て直せるコンテンツを何か作らないととゲームを作ろうとしたが、完成までに時間がかかる。2年ほど前に、ニンテンドースイッチのモニターと方向幕の相性がいいのではと思いアイデアを持っていたこともあり、自分が一番愛を持っているのは近鉄奈良線だったことから第1弾に選んだ」と振り返る。近年、関東には方向幕を持つ車両がほとんどなくなっているのも理由になった。

 昨年末ごろ、近鉄グッズ許諾窓口の近鉄車両エンジニアリング(大阪市天王寺区)からライセンスの条件などを教えてもらい、「デモを作って見てもらったら喜んでもらえて、ライセンスの許諾をもらった」と奥田さん。車両に搭載されている方向幕や過去に使われていた方向幕の実物を借りられることになり、鉄道に使われている書体を収集するグラフィックデザイナーの石川祐基さんの協力を得て、書体の解析作業を行った。アプリに収録する電鈴や警笛、扉の開閉音、方向幕の回る音などは、6月に西大寺検車区で実車から録音するなど、近畿日本鉄道と近鉄車両エンジニアリングの協力・監修のもと商品化した。

 同アプリには、近鉄奈良線・京都線・橿原線・けいはんな線の通勤電車の方向幕を収録。さまざまな行き先や種別が用意されており、「年代によって表記の仕方が違うものがあるので、差が分かりやすいものを選び、キャラクターやゲーム性などは入れず、メニューや動きは最小限にして、ニッチな需要に確実に応えられる仕様で作った。方向幕が回るのを見ているのが楽しいだけのもの」と奥田さん。「1週間の予約販売期間だけで試算していた初月売り上げ予想を達成し、9月12日時点で当初予想の5倍以上のペースで購入してもらっている。近畿日本鉄道編 PART1なので、次に何が出るか楽しみにしてほしい」と話す。

 ソフトはダウンロード版のみ。マイニンテンドーストアで販売する。価格は1,000円(9月26日23時59分までは900円)。

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