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東大阪の大阪製罐、工場敷地にアート集団「チームラボ」の作品とカフェ開設

「チームラボ:風と雨と太陽の草原」に立つ大阪製罐の清水雄一郎社長

「チームラボ:風と雨と太陽の草原」に立つ大阪製罐の清水雄一郎社長

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 大阪製罐(東大阪市岩田町2)敷地内に10月5日、カフェ「カンカン工場の草原のカフェ」とアート集団チームラボの作品「チームラボ:風と雨と太陽の草原」がオープンする。

「カンカン工場の草原のカフェ」店内から見た夜の草原

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 菓子缶などを製造する大阪製罐では4年前、廃材置き場と駐車場として使っていた土地に工場の新設を計画。約300坪の敷地のうち、100坪に新工場とカフェを開設した。「普通、工場は目一杯、生産設備を作るが、それでいいのか疑問だった」と清水雄一郎社長。残りの200坪を更地にし、チームラボが「チームラボ:風と雨と太陽の草原」を作った。「工場は閉鎖的なので、普通の工場ではなく、社会や地域に開かれた存在にしたいと思っていた。境界をなくすということで何かすごいことをしてくれるのではないかと、後に知人の紹介で知り合ったチームラボに作品を依頼した」と振り返る。

 チームラボはここ数年、「環境現象」をテーマに作品を創作しており、「チームラボ:風と雨と太陽の草原」は、風や雨、太陽などの自然環境が生み出す現象により、作品が創られている。チームラボの工藤岳さんは「風が吹いていなかったら見えない、雨が降っていなければ見えない、太陽が出ていなかったら見えない作品。でも、太陽さえ出ていれば見えるといったような環境を作っている」と話す。

 「太陽の円相」という作品は、草原にある「太陽のための階段」を上がると水が噴き出し、風のない晴天の11時30分から12時30分の間だけ下をのぞくと真円の虹を見ることができる。工藤さんは「環境に依存しているので、うまく整わなければ見られない。そうすると、人は目の前にある作品から意識が拡張され、環境にまで思いが及ぶのでは」と話す。隣接する建物の上空には、風が吹く時だけ空に出現する作品「風と太陽の空書」、草原内には、溶解炉内に残ったガラスを使った作品「太陽の海」などがあり、自然環境のほか、人の立つ位置や歩く速度などにより変化する作品もある。

 チームラボアーキテクツが手がけた「カンカン工場の草原のカフェ」には11席を設け、店内から草原を鑑賞できるようにしたほか、夜は近くのお茶と影響を受け合って光や音のリズムが変化する屋内作品「共鳴する茶-動的平衡色」などの体験を用意する。

 スイーツは「リビエール」(尼崎市)がプロデュースし、フランス菓子に和のテイストを加えたという。10時30分~16時30分に提供するメニューは、季節のケーキいちじく、抹茶のわらび餅のいずれかとドリンク、「チームラボ:風と雨と太陽の草原」の体験をセットにした「虹の草原セット」(1,500円)、18時30分~21時30分は、季節のケーキいちじくとアマンドサレ、抹茶のわらび餅とアマンドサレのいずれかとドリンク(アルコール含む)、「チームラボ:風と雨と太陽の草原」の体験をセットにした「光の草原セット」(3,000円)。予約制で、店内に滞在できるのは最大50分間。同カフェの利用者のみ作品を体験することができる。火曜・水曜定休。

 清水社長は「地域の人にも来てほしいし、東大阪に来たことがない人が目的地として来てくれたら。今までアートに触れなかった人が、チームラボの作品を見て変わるきっかけの場所になれば」と話す。

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