
近畿大学東大阪キャンパス18号館「不倒館 -創設者 世耕弘一記念室」(東大阪市小若江3、TEL 06-4307-3091)で7月9日、ミニ企画展「近大バッジコレクション 昭和レトロ編」が始まった。
近畿大学3代目理事長・世耕弘昭さんの「創設者の思いを残したい」との思いから2009(平成21)年、旧本館に開設された「不倒館」。名称は、近畿大学創設者の世耕弘一さんが「苦境の連続でありながら『倒れざる挑戦者』として人生を歩んだ」ことに由来する。館内には世耕弘一さんゆかりの品や同大学の歴史資料を展示し、2016(平成28)年に現在同館のある18号館に移転した。自校教育に活用するほか、一般にも開放する。
同館では1年に4回、企画展を開催。7月・8月はオープンキャンパスに合わせた展示内容としている。現在は、男子学生の多くが学ランを着ていた昭和30年代ごろまでの学帽や学生服に取り付けていたバッジを特集。同大学建学史料室担当者は「当時の学生は、学部やクラブの誇りとしてバッジを付けていた」と話す。当時、バッジは旧本館の地下の売店で発注を受けており、売店を取り壊す際に譲り受けたという。バッジの特集をするのは今回が初めて。
展示するバッジは、校章、学部章、学部ごとの研究会、体育会、文化会、自治会など66点。「卒業アルバムから合致するものを抜き出し、写真とバッジを一緒に展示している」という。詳細が不明なバッジは「その他」として展示。「先日もOBの方が詳細の分からないバッジについて教えてくれた。情報を持っている人は教えてほしい」と呼びかける。オープンキャンパスに合わせ、現在東大阪キャンパスで活動しているクラブ一覧の展示や「推しバッジ」の投票なども行っている。
同大学が今年創立100周年を迎えたことを記念し、同館前では「昔の近大、ちょっと見てって!近大100周年写真パネル展」を開催。11月28日までの期間中、テーマを変えてパネルを展示する。現在のテーマは旧本館と食堂。
旧本館は、創立45周年記念事業の一環として1970(昭和45)年に設立したもので、地下1階地上8階の建物。「旧本館の上には時計があり、近大通りから見えていた。近所の人もなじみがある建物で、55年間愛されていた。一方、2022年に解体工事が始まり、コロナ禍で知らない間に建物がなくなっていたという学生もいる」と話す。旧本館地下には本館食堂があり、大学直営の完全セルフサービスで、冷凍食品を使った画期的な食堂だったという。卒業生夫妻が学内で経営していた19号館の「大食堂」のパネルには、世耕弘一さんが1950(昭和25)年または1951年に贈ったとされる「眼中無敵」の書が写っている。その書は夫妻の親族からの寄贈により、現在、同館に展示されている。
建学史料室担当者は「在学生に自分の通っている大学のことを知ってもらいたい。過去から学ぶこともあると思うので、大学の歴史を知ってほしい」と話す。
開館時間は月曜~金曜=10時~16時(7月27日、8月22日・23日は開館、11時~16時)。入館無料。ミニ企画展は8月29日まで。