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旧河澄家で「上田秋成と煎茶道具展」 代々伝わる道具やゆかりの品紹介

河澄家に残された煎茶道具

河澄家に残された煎茶道具

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 「上田秋成と煎茶道具展」が現在、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で行われている。

上田秋成自作の涼炉「楊楽合(ようらくごう)」のパネル

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 河澄家は江戸時代に日下村の庄屋を務めた旧家で、主屋西側に建てられた数奇屋風書院造りの建物「棲鶴楼(せいかくろう)」は、第15代当主・常之と親交が深かった国学者で読本作家の上田秋成など文人が集う文芸サロンになっていたという。同展では、秋成の生涯や煎茶の歴史、秋成と煎茶の関わりなどの解説パネルを河澄家に残された煎茶道具や茶器などとともに展示する。

 秋成は文人仲間たちと共に煎茶に傾注し、1794年に煎茶書「清風瑣言(せいふうさげん)」を刊行。文人煎茶を広く周知させるなど、後の煎茶の動向に大きな影響を与えた。

 同館統括責任者の堀木昌彦さんは「秋成は長年にわたって煎茶を楽しみ、文人にも影響を与えた。煎茶が文人の間ではやる前で、みんなが清風瑣言を教科書のように読んでいた」と話す。

 会場では、河澄家に残され、現在は東大阪市が所蔵する秋成自作の涼炉「楊楽合(ようらくごう)」や短冊帖、棲鶴楼を詠んだ和歌などをパネルで紹介。「雨月物語」、秋成が目の療養のため日下を訪れた日々を記した随筆「山霧記」、紀行文「いははし(岩橋の記)」などの解説パネルも並べる。

 堀木さんは「秋成は煎茶にのめり込み、茶道具の作陶もしていた。文学作家とは別の側面として煎茶があり、上田秋成を知りたい人にとっては面白い展示では。棲鶴楼内のまちライブラリーには秋成の本があるので、実際に秋成が訪れた棲鶴楼で読んでほしい」と話す。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館。入館無料。9月23日まで。

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