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近畿大学「国際化と異文化理解」講義に花園近鉄ライナーズ2選手が登壇

(左から)上山黎哉選手、高橋梓准教授、宮下大輝選手

(左から)上山黎哉選手、高橋梓准教授、宮下大輝選手

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 ジャパンラグビーリーグワン「花園近鉄ライナーズ」の2選手が10月28日、近畿大学(東大阪市小若江3)法学部で行われた共通教養科目「国際化と異文化理解」講義に登壇した。

登壇した上山黎哉選手、高橋梓准教授、宮下大輝選手

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 同大学法学部の高橋梓准教授が担当する「国際化と異文化理解」は、スポーツを通して地域文化や国際文化の多様性について考えることを目的に開いている。これまでサッカーやラグビーの文化史、欧州の地域クラブ文化、東大阪市のスポーツ文化の実態などから、スポーツが地域に根付く条件を探る講義を行ってきた。

 今回は「東大阪が真にラグビーの聖地になるには」をテーマに、花園近鉄ライナーズ(以下、ライナーズ)の上山黎哉選手と宮下大輝選手を招き、どうすれば新たな文化を受け入れ、自身のライフスタイルに取り入れることができるのかを学生と考えた。

 東大阪市は「ラグビーのまち」を掲げているが、同講義を受講した学生約60人に問いかけたところ、ライナーズの試合を見に行ったことがある学生は1人もいなかった。その結果を踏まえ、欧州と日本のラグビーの歴史や文化、ラグビーのルールなどを学んだ後、「ラグビーのまち東大阪の聖地・花園をホームとするチームがさらに一般の人気を高めるにはどうすればいいか」との議題でグループディスカッションを行った。

 学生からは「選手のひげが魅力的なので、ひげのお触りイベントをする」「芸人さんとコラボするなどしてSNSで発信する」「子どもの支持を得て家族で見に行く雰囲気を作る」「好きな選手がいたら見に行くので、選手を知る機会を増やす」など、さまざまな意見が挙げられた。

 上山選手と宮下選手はそれぞれの意見に対し、現在取り組んでいることや提案に対する考えを話し、「ラグビーを見たことない人が多いと思うが、会場の雰囲気や体がぶつかる音など、ルールが分からなくても楽しんでもらえる。ディスカッションで周知できていないことが分かったが、試合会場では楽しいイベントもやっているので、一度見にきてほしい」と呼びかけた。高橋准教授から「1回来たら沼らせる自身ある?」と聞かれた上山選手は「ある」と即答した。

 講義の最後に、高橋准教授は「『聖地』という言葉が一人歩きしているので一度切り離し、ラグビーの本質を見て自分の生活に落とし込んでみることで解決の糸口が見えるのでは」と締めくくった。

 花園近鉄ライナーズ地域・産学連携担当者の宮崎良平さんは「これまでラグビーやライナーズに関心のなかった学生の皆さんに授業を通じてチームの活動に触れてもらえたことは貴重な機会となった。今季は教育機関との連携を本格的に進める初めての試みとして、授業を通じて学生の興味や学びの変化を見つめながらスポーツが持つ社会的な意義や可能性を探っている。こうした取り組みを通じて教育機関のニーズを理解しながら、企業やスポーツチームとしての使命、地域社会への価値提供とどう結びつけていけるかを模索していきたい」と話す。

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