東大阪市の農業振興プロジェクト「東大阪『エコたま』チャレンジ」が始動し、11月22日、東大阪市内の畑でタマネギの苗植えが行われた。
大阪府は、化学合成農薬や化学肥料の使用量を通常の半分以下で栽培した物を「大阪エコ農産物」に認証しており、「エコたま」は、その認証を受けた「エコたまねぎ」のこと。同プロジェクトは、東大阪の複数農家でエコたまねぎ50トンを生産し、食品製造企業と協働で商品を開発、近畿圏のスーパーで「東大阪産エコたまねぎ使用」と銘打った商品を販売することで、東大阪産の農産物の魅力を市内外にPRすることを目的に始まった。本年度はテスト実施と位置付け、1軒の農家で5トンの「エコたまねぎ」を収穫し、商品開発、流通までの工程を確認する。
東大阪市都市魅力産業スポーツ部農政課の下里隼人さんは「東大阪は農業のまちというイメージがあまりない。高齢化で農業人口も減る中、いろんな人たちの力をまとめて東大阪の農業を盛り上げたいと関係者に声をかけ、今回のテスト実施に至った」と話す。
本年度の栽培は、「河内ブナ」の養殖と農業を営む山口養魚場(東大阪市下六万寺町2)で行う。山口養魚場には、養魚池、畑、田んぼがあり、稲刈り後の精米時に割れた米や小さな米をフナの餌にし、養魚池の泥を農地の肥料として使うなど循環型農業を実践しており、山口養魚場で採れる野菜は大阪エコ農産物に認証されている。
この日は、東大阪を拠点に活動するジャパンラグビーリーグワン「花園近鉄ライナーズ」と、さわかみ関西独立リーグ「大阪ゼロロクブルズ」の選手、サッカーJ3「FC大阪」のスタッフ、近畿大学体育会レスリング部の学生、農林水産省、大阪府、東大阪市職員有志、農業ボランティアなど、約60人が参加。3時間掛け、1000平方メートルの畑に、加工食品に適した品種「アトン」の苗1万5000本を植えた。
苗植えに参加した花園近鉄ライナーズの野口大輔選手は「農家の方たちはこの作業を少人数でしているので大変。こういう工程があると知ることができるいい機会だった」と話す。
下里さんは「来年度以降は、関係人口2000人で50トンのエコたまねぎを生産することを目指している。淡路島、泉州に次ぐタマネギの産地といわれるのが目標」と意気込む。
収穫は来年5月中旬を予定する。