関西みらい銀行河内花園支店(東大阪市岩田町1)が12月3日、ラグビーチーム「花園近鉄ライナーズ」のアキラ・イオアネ選手を一日支店長に招き、特殊詐欺被害防止を呼びかけるイベントを行った。
同支店エリアを管轄する大阪府河内警察署によると、今年10月末の河内署管内の特殊詐欺被害認知件数は48件、被害総額1億4,000万円、投資詐欺の認知件数は18件、被害総額6億5,000万円にのぼる。河内花園支店の萬谷健二支店長は「日々、特殊詐欺の被害が非常に多いと痛感しており、イベントをすることでお客さまに周知ができるのではないかと企画した」と話す。同店が一日支店長を迎えてイベントを行うのは今回が初めて。
この日の開店前には支店長任命式が行われ、萬谷支店長がイオアネ選手に一日支店長任命書を手渡し、たすきを掛けた。イオアネ選手は「本日はプロモーションの機会なので、一生懸命頑張りたい」とあいさつし、「銀行では信用できない人にはお金を振り込まない、振込先が信用できるところかどうかの確認作業を怠らずに必ずやってほしいということが伝われば」と話し、シャッターを開けて利用客を出迎えた。
店頭では、銀行員、警察官とともに、「還付金詐欺に注意」「ATMで還付金の手続きはできません」などと書かれたティッシュや、「ニセ警察詐欺」「国際電話詐欺」などの特殊詐欺啓発チラシを配布。地域住民との交流の時間として、イオアネ選手のサイン会や写真撮影会なども開かれた。
大阪府は今年8月、65歳以上の高齢者が携帯電話で通話しながらATMを操作することを禁じることなどを盛り込んだ「大阪府安全なまちづくり条例」の改正条例を施行。河内警察署生活安全課長の藤村和弘さんは「『大阪府安全なまちづくり条例』により8月の被害件数はいったん減ったが、9月以降はかなり件数が増えている。『お金を貸してほしい』『もうかりますよ』と、電話やSNSを介して言ってくるものはすべてが詐欺だと思ってほしい」と呼びかける。