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東大阪・旧河澄家で「石上露子と明星派歌人」 縁の家で女性歌人の作品学ぶ

文学講座「石上露子と明星派歌人」

文学講座「石上露子と明星派歌人」

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 東大阪市指定文化財の「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で9月25日、文学講座「石上露子と明星派歌人」が開かれる。

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 石上露子(いそのかみつゆこ、本名・杉山タカ)は、河澄家第19代当主・雄次郎の娘ナミが富田林の旧家・杉山家に嫁ぎ、1882(明治15)年に誕生した娘。旧家の長女として琴や和歌、日本画、上方舞など諸芸に精通し、後に長谷川時雨の「明治美人伝」で紹介されるほどの美貌の持ち主に育った。

 1903(明治36)年に与謝野鉄幹が主宰する新詩社に参加し、雑誌「明星」に短歌三首を寄贈。1907(明治40)年、旧家の家督を継ぐ運命のため思い焦がれた初恋の人に対するかなわぬ思いを詠んだといわれる「小板橋」が明星に掲載され、絶唱と評されたが同年、親の決めた相手と結婚し、夫から作家活動を禁じられ文学界から身を引いた。2人の息子をもうけたが、長男の病死、次男の自殺など波乱の中、1959(昭和34)年、78歳で生涯を閉じた。

 同講座では元・大手前大学助教授の藤井千年さんを招き、旧河澄家に縁のある石上露子と「明星」で活躍した与謝野晶子、山川登美子、茅野雅子、玉野花子の作品とそのエピソードを紹介する。「与謝野晶子の『君死にたまふことなかれ』や、それに勝るとも劣らぬ露子の反戦歌、短編『兵士』などにも光を当てたい」と、同館学芸員の曽束奈美さん。

 曽束さんは「石上露子の祖父・河澄雄次郎も文人であり、紀行文などを執筆していたといわれている。露子のルーツを探る一つの契機として、旧河澄家にお越しいただければ」と参加を呼び掛ける。

 開催時間は13時~15時。参加無料。定員40人。申し込みは電話またはホームページで受け付ける。

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