国史跡・重要文化財の鴻池新田会所(東大阪市鴻池元町)で9月21日、「古建築×ビジュツ 重要文化財でみる現代大阪アート展」が始まった。
東大阪市人権文化部文化国際課では、市内の文化発信拠点の一つである司馬遼太郎記念館(下小阪3)と地域資源を生かした「文化のまち」をアピールするため、2013年度にポスターを作成。司馬作品を読んで感じた思いなどのメッセージを市民から募り、入選した12作品で作ったポスターを大阪難波駅や京都駅、名古屋駅などに掲出して市内外にアピール。昨年には市内全域の11の文化施設を掲載し、AR技術を使って動画や写真を視聴できるマップを作成した。
市の文化施設や文化をこれまでも発信してきたが、施設に足を運ぶ人が多くないことから、「違う要素を加えて足を運ぶ人が増えれば」と、今年は、アート、音楽、歴史の要素を加えたイベント「Art Planet 東大阪」を企画。
第1弾となる鴻池新田会所での同展では、大阪府が所蔵する「大阪府20世紀美術コレクション」の中から14点を展示。土間には高い天井を生かし、高さ約3メートルのアントニーン・スティブーレックさん(チェコ)の作品「生き物」や、リー・ウェイオンさん(中国・香港)の「生長」など、府が開催していた美術コンクール「大阪トリエンナーレ」の受賞作品を展示する。
座敷には、1960~1980年代を中心に活躍した彫刻家・清水九兵衛さんと森口宏一さんの作品を展示。2000年に行われた一般公募絵画コンクール「屏風(びょうぶ)に描く大阪ビジョン21」の入賞作品を飾るなど、関西に縁(ゆかり)のある作家作品を集めた。
「江戸時代の建物と現代アートで時代の流れを感じてもらえれば」と同課の村上恵理さん。10月29日には東大阪市民美術センター(吉田6)の「ナイトミュージアム」、11月20日には大阪商業大学商業史博物館(御厨栄町4)の秋季企画展とともに楽しむコンサートを予定する。
開催時間は10時~16時。鴻池新田会所の観覧料(大人=300円、小・中学生200円)が必要。今月25日まで。