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東大阪のねじ商社とゲーム制作会社が絵本出版 ものづくりの魅力伝える

左から、プロジェクト中心メンバーのコノエの仲本威史さん、城戸春乃さん、エンジンズの小林一博さん

左から、プロジェクト中心メンバーのコノエの仲本威史さん、城戸春乃さん、エンジンズの小林一博さん

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 ねじ商社のコノエ(東大阪市新庄西)とゲーム制作などを手掛けるエンジンズ(大阪市中央区)が企画運営するプロジェクト「虹色のネジ」の絵本「にじいろのネジ」が1月20日、象の森書房から出版された。

「にじいろのネジ」表紙

 2011年にコノエの3代目社長に就任した河野裕さん。規格品のねじを扱い、「在庫の有無と値段勝負の業界で、従来の枠の中でだけ仕事をしても面白くない。ねじを違う形で世に流せないか」と、さまざまなプロジェクトに取り組んできたが、今までの企画は全て頓挫した。

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 ゲームの企画や開発、プロジェクトのプロデュースなどを手掛けるエンジンズでは昨年4月、社内ベンチャー「キッズプロジェクト」をスタート。国語、算数、理科、社会以外の教育の機会を提供するための自社コンテンツを開発してワークショップを開いており、知人の紹介でコノエと出会う。「ねじがニュースになるのは事故が起こったときで、すてきなビルが建ったからといって、ものづくりに欠かせないねじが紹介されることはない。子どもたちにねじの大切さを伝え、ものづくりに興味を持ってもらいたい」という河野社長の思いに共感し、6月1日の「ねじの日」にプロジェクト「虹色のネジ」を発足させた。

 同プロジェクトでは、「日本の技術をいかに子どもたちに楽しく伝えるか」にポイントを置き、実際にねじを触りながら教えるワークショップと、知識をより広げるためのコンテンツを企画。同書は、「絵本と呼んでいるがツールブック。体験が知識となり、親子のコミュニケーションが生まれることが狙い」と、エンジンズの小林一博さん。

 同書の文章を手掛けたのは監督・脚本家の安田真奈さん。「日の当たらないものに光を当てたい」という安田さんは、上野樹里さん主演の映画「幸福のスイッチ」の監督・脚本で劇場デビューし、東大阪のねじを題材にした企画を進めていたという。絵は、ベネッセ「Worldwide Kids English」のキャラクターや、しまじろうなどの作画を手掛けるはりたつおさんが手掛けた。こき使われたねじが逃げ出し、物が次々と壊れて混乱、平和な日は戻るのか…というストーリーで、ものとものをつなぐねじの大切さを描く。

 絵本には指定管理者制度による図書館運営をする図書館流通センター(TRC)監修のワークシートを付け、読み聞かせ、ワークシートを利用した会場のねじ探し、図書館の本を利用したねじの学習、家にあるねじを思い出す、自分だけの「虹色のネジ」をイラストで表現するというステップで、子どもたちの図書館利用促進とねじが使われている機械や道具への考察を深めるものとした。

 昨年11月には三田市立図書館(兵庫県三田市)で制作過程の「虹色のネジ」を使ったワークショップを行い、子どもたちが積極的に本を探し、「保護者から、家に帰ってからも家の中のねじを探したり本を読んだりしていたとの話が聞けた」という。3月以降は全国の図書館で展開を予定。

「ものづくりを経験していない若者にものづくりの楽しさを伝えるのは難しい。長い目で業界の活性化を図っていき、プロジェクトの活動がメディアに取り上げられるよう、ねじだけでなくものづくり全体の未来に向け先頭を切ってやっていきたい」と河野社長。「絵本を手に取った子どもが大人になったときにコノエの門をたたいてくれたら」と笑顔を見せる。

 仕様はB5版31ページで、価格は864円。アマゾンで扱っている。

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