作家・司馬遼太郎の命日(2月12日)を前に1月28日、司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)が菜の花の装飾で彩られた。
司馬遼太郎が野に咲く菜の花が好きだったこと、作品に「菜の花の沖」という小説があることなどから2月12日の命日を「菜の花忌」と命名。2001年11月に同館が開館し、翌年の命日前後にはガラス回廊に菜の花を飾った。2004年には記念館周辺の人々やボランティアらの協力で、近隣の学校や駅周辺に菜の花を植えたプランターや鉢を設置するようになり、約2000世帯に種を配布。同年7月には記念館の提唱に応え、自治会や病院、商店街などから成る「春一番に菜の花忌の会」が発足した。「街に菜の花を咲かせよう 2.12菜の花忌」運動は、「寒い季節に菜の花でなごみを持つことができれば」と始まったものだが、「ご近所同士のふれ合いや住む地域との関わりが薄れていく時代に、花を通じて街に関心を持ってもらえれば」との願いも込める。
参加団体は年々増え、今回は自治会、学校、商店街、府・市、郵便局など42団体が参加。昨年9月下旬に種を配布し、1カ月に1回の会議で栽培状況を報告するなどしてきた。1月28日には、館内にプランター約240個、切り花約800本を装飾。翌29日には、同館周辺や街中にプランター約1650個を並べた。菜の花のプランターは、同館に近い近鉄河内小阪駅、八戸ノ里駅から同館までの道しるべにもなっている。花は3月下旬ごろまで楽しめるという。
命日の2月12日には、司馬さんの人となりや、8月26日に全国公開予定の司馬さん原作の映画「関ヶ原」などについて館長の上村洋行館長が語る「館長トーク」を開き、来館者には菜の花を進呈する。
開館時間は10時~17時、月曜休館(祝日・振替休日の場合は翌日休館)。入館料は、大人=500円、中高生=300円、小学生=200円。