東大阪市指定文化財の旧河澄家(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で3月10日、「-女流陶芸家 桜井智子・石切工房桜陶庵による-陶芸展」が始まった。
1965(昭和40)年、東大阪で生まれた陶芸家・桜井智子さん。帝塚山短期大学工芸美術史の授業で陶芸と出合い、坪井明日香さんに師事。1986(昭和61)年に第20回女流陶芸展入選、1989年には第23回女流陶芸展毎日新聞社賞を受賞。1992年には、東大阪市・加納に窯を作った。
2004年には、近鉄けいはんな線・新石切駅近くに石切工房・桜陶庵(おうとうあん)を開き、今年1月、現在の西石切町に移転。毎年、京都市美術館で開催される女流陶芸展への出展や個展の開催など創作活動を続けるとともに、陶芸教室を開いている。
陶芸教室の一般クラスには40~60代の女性が多く、シニアクラスには70代から98歳までが通っているといい、「吹田や豊中、羽曳野など遠方から習いに来てくれる人も多い」と桜井さん。生徒はほとんどが初心者だといい、初心者向けのカリキュラムを用意し、食器や動物の置物などを制作している。
桜井さんの作品は六角の幾何学模様が特徴で、「見てきれい、見て気持ちのいい作品を心掛けていて、オブジェでも工芸的な要素を取り入れている」といい、同展では、2013年制作の「抱-フクラムオモイ-」、2016年制作「hug-抱擁-」などの作品を展示。陶芸教室の生徒の作品と合わせ、約80点を展示する。12日にはオリジナルブローチ作りを開催し、親子連れなどがクッキーの型を使ったブローチ作りに挑戦した。
桜井さんは「陶芸は近寄りがたいものと思われているが、身近に感じてもらえるよう土をいじってもらえる機会をつくっていきたい」と、体験教室などにも意欲を見せる。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館無料。4月16日まで。