大阪府立中央図書館・国際児童文学館(東大阪市荒本北1、TEL 0606745-9221)で7月4日、「愛しきアフリカ-絵本『ニジェール物語』原画展-」が始まった。
サハラ砂漠の真ん中にあるキャンプで2年間を過ごした唯一の日本人女性フクダヒデコさん作、2015ボローニャ国際絵本原画展入選作家のイラストレーター・イヌイマサノリさん作画を手掛けた同作は、フクダさんがニジェールで暮らした7年間で現地住民から聞いた話や民話などをもとに創作した絵本。砂漠での落雷でできる雷管石「フージーライト」や、砂漠の奥深くに眠る湖の女神「アルピエンヌ」など、7つの物語を1冊の絵本にまとめた。
会場では、イヌイさんが描いた絵本の原画14点を展示。色彩豊かな原画は物語の文章とともに展示し、原画を見ながら朗読CDを聴くこともできる。8月6日15時~15時30分には、寺子屋を建てるなどニジェールの子どもたちを支援する団体「コモン・ニジェール」の活動も続けるフクダさんが来館し、同作やニジェールについて話すギャラリートークを開催。定員20人。申し込み不要。
期間中同館では、アフリカの民話や自然、動物、貧困といった直面する課題など、アフリカ関連の書籍を4つのテーマで展示。同館で所蔵するスワヒリ語の絵本や教科書なども並ぶ。府立中央図書館・こども資料室では貸し出し可能のアフリカを舞台にした絵本や物語、同・小説読物室ではアフリカ出身作家の作品やアフリカについて書かれた実用本など、大人向けの書籍を集めた(小説読物室の展示は7月30日まで)。
同館の松井涼真さんは「絵本でもきれいに再現されているが、原画の方が迫力が伝わる。子どもはもちろん、大人もニジェールについて知らない人も多いと思うので、これを機会にニジェールを知ってもらい、アフリカに興味を持ってもらえたら」と話す。
同館では7月29日、同じアフリカをテーマにタンザニアの絵本作家・ジョン・キラカさんを講師に招き講演会を開く。中学生以上対象、定員80人。参加費1,000円。
開館時間は9時~17時。月曜休館(7月17日開館、18日休館)。8月6日まで。