見る・遊ぶ

東大阪で音楽再生の変遷たどる特別展 蓄音機など64点展示、試聴会も

1896年にエジソン社が家庭用に初めて発売した蓄音機など

1896年にエジソン社が家庭用に初めて発売した蓄音機など

  • 8

  •  

 東大阪市民美術センター(東大阪市吉田6、TEL 072-964-1313)で8月8日、特別展「音楽再生の楽しみ ~はじまりは蓄音機 ―大阪芸術大学博物館オーディオ資料室より-」が始まった。

装飾を加えたビクター社の蓄音機

[広告]

 蓄音機の発明は、アメリカの発明王・トーマス・アルバ・エジソンが1877(明治10)年に録音と再生に成功した錫箔(すずはく)円筒式蓄音機「フォノグラフ」が始まりで、その後、電話の発明でエジソンと競っていたアレクサンダー・グラハム・ベルが1881(明治14)年、ボール紙製の円筒に塗った蝋(ろう)に音溝を削り込む「グラフォフォン」を開発。独学で電気の技術を学び、ベルの元で電話の開発に携わっていたエミール・ベルリナーは1883(明治16)年に独立し、円盤レコードを使う蓄音機「グラモフォン」を1887(明治20)年に発明。エジソンとベルは口述記録などビジネス用の録音再生機として、ベルリナーは音楽を再生して楽しむ娯楽のため、それぞれ開発を進めた。

  第1展示室では、「蓄音機の発明」「市場競争」「ラジオの登場」「蓄音機の終焉(しゅうえん)」の4章で構成し、1890年代半ばごろから1930年代初めごろまでの蓄音機とラジオ64点を展示。

 会場では、蓄音機の発明・実用化、19世紀終わりごろに市販され始めてからの市場の競争、レコードの製造などを、当時の蓄音機の展示とパネルで紹介。アメリカとカナダでは1920(大正9)年、日本では1925(大正14)年にラジオ放送が始まり、蓄音機とラジオが一体になった電蓄が登場。1930年ごろに電蓄が主流となり、蓄音機が終焉(しゅうえん)を迎えるまでをたどる。

 学芸員の柳知明さんは「最近はイヤホンで音楽を聴く人が多いが、音は空間に広がり体全体で聴くもの。空間に響く音の魅力を再認識してもらえれば」と話す。

 会期中の土曜・日曜には、蓄音機によるSPレコード試聴会を開催。流行歌やクラシック、落語など、毎回テーマを変えて開く。各回13時30分から60分程度。8月11日・17日・23日・29日には、学芸員による解説と蓄音機の再生をするギャラリートークを予定。各回14時から約30分。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は500円(中学生以下、65歳以上、障がい者手帳持参の人は無料)。9月3日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース