東大阪市は9月12日、ロンドンで行われた陸上の世界選手権男子400メートルリレー決勝で第1走者を務め、銅メダル獲得の快挙を成し遂げた多田修平選手(関学大)に市長賞詞を贈呈した。
同市出身または同市に活動の拠点を置き、大規模な世界大会での活躍や市の施策に大きな貢献をした人物に贈呈する市長賞詞。東大阪市出身の多田選手は市立石切中学校を卒業後、大阪桐蔭高校に進学。現在は関西学院大学3年。
市庁舎1階で行われた贈呈式には多田選手の姿を一目見ようと朝から多くの市民が集まり、会場で銅メダルを獲得した世界選手権の映像が流されると拍手が沸き起こった。その後は野田義和市長がインタビューする形で多田選手に質問。ウサイン・ボルト選手の隣で走ったことについては、「世界最速のボルト選手の隣で緊張したが、緊張よりもうれしかった。前半だけでもリードしたのは自信になった」と答え、多田選手のスタートダッシュについて聞かれた林直也コーチは「もともとスタートが得意で冬場のトレーニングで筋力も強くなった。頭一つ低い姿勢でスタートを切れる選手はほかにいない。彼のスタートダッシュは世界一」などとたたえた。
話題が日本学生陸上競技対校選手権(インカレ)で桐生祥秀選手(東洋大)が9秒台を出したことに及ぶと、「目の前で9秒台を出されて悔しい気持ちで燃えている。桐生選手に勝ちたいという気持ちを力にして、安定して9秒台を出せるようにしたい」と話し、「東京五輪まで応援してください」と集まった人々に呼び掛けた。
市では、スポーツみらいアンバサダー制度を設け、多田選手にアンバサダーを委嘱。アドバイスを求められると「スランプやけがで落ち込むこともあるが自分の力を信じて取り組んできた。スポーツは楽しむものなので、楽しむという初心を忘れずにしてもらえれば」と、未来のアスリートを応援した。
贈呈式終了後の会見では、「地元で表彰されてうれしい。悪天候の中、あれだけ大勢の人が集まってくれたので東大阪代表として期待に応えられるようにしたい」と言い、「桐生選手を必ず超えたい」「今後9秒台を出せる確率は100%」などと意気込んだ。