国民栄誉賞の受賞が決まった囲碁棋士・井山裕太さんの故郷、東大阪で1月6日、「井山裕太杯 東大阪市新春囲碁フェスティバル」が開かれた。
イベント前日に国民栄誉賞の受賞が決まり、当日は朝から多くの人が会場に詰めかけた。開会式では来場した井山裕太さんに野田義和東大阪市長が花束を贈呈し、「名誉市民が国民栄誉賞を受賞するのは市制50年最大の喜び」と祝福した。
井山さんは「生まれ育った東大阪で囲碁の大会を開催してもらえることを感慨深く思う。今日囲碁が初めての人も今後続けてもらえるとこんなにうれしいことはない。自分自身精進して、東大阪を盛り上げるよう頑張っていきたい」とあいさつし、「小さいお子さんもいるし、皆さんにいい報告ができて良かった」と笑顔を見せた。
大阪商業大学の谷岡一郎学長との対談で井山さんは、強くなる秘けつについて、「詰碁や棋譜並べは嫌いでやっていなかったが対局はしていた。今はネット対局ができる環境で、中国・韓国の子どもはネットでたくさん打って強くなっている。一局の中でどこか一つでも振り返ることが必要。一番時間を割くのは自分の対局の振り返り。AIの打った手も、有力だと思った手は実践で試している」と話した。
今後の抱負について、井山さんは「目の前の一手に集中することに変わりはないが、まずは世界で結果を残すことを期待されているので、2月の決勝(囲碁LG杯)で全力を尽くす。羽生さんみたいにトップで活躍できる棋士になりたいし、囲碁の魅力を知ってもらえるようにしていきたい」と力を込める。
井山さんは、東大阪市立孔舎衙(くさか)小学校、孔舎衙中学校卒業。中学1年時にプロデビューし、22歳まで東大阪で過ごした。