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司馬遼太郎記念館で企画展「翔ぶが如く」 西郷隆盛に迫る長編小説テーマに

展示会場の様子

展示会場の様子

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 司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で1月23日、企画展「『翔ぶが如く』 西郷隆盛をめぐるひとびと」が始まった。

風間完さんが手掛けた挿絵と「征韓論之図」錦絵

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 「翔ぶが如く」(文藝春秋)は、西郷隆盛と大久保利通の対立を軸に、明治国家成立の過渡期を描いた長編小説。毎日新聞で1972(昭和47)年1月1日~1976(昭和51)年9月4日までの4年8カ月、1680回にわたり連載された。子どものころから親友だった西郷と大久保がなぜ対立を深め、それがどう政治に反映したのか、西郷の虚像を担ぎ出す側とそれを恐れる政府側など、西郷像と西郷を取り巻く人々を描く。

 展示ケース壁面では、征韓論、不平士族の乱、西南戦争を軸に、作品の引用文と連載時の挿絵を担当した風間完さんの絵を組み合わせ、時代の流れをわかりやすく表現。初公開を含む挿絵22枚や、「征韓論之図」「鹿児島の賊軍熊本城激戦図」の錦絵、明治新政府が立てた太政官高札、田原坂の戦いで使われた銃弾、同作の連載終了時に書いたエッセー「南方古俗と西郷の乱」「鹿児島再訪」の自筆原稿など、連載時の雰囲気が味わえる展示になっている。

 展示小ケースでは、「『明治』という国家」第4章「『青写真』なしの新国家」自筆原稿や「坂の上の雲」の掲載紙スクラップ、「街道をゆく3 陸奥の道、肥薩のみちほか」の掲載誌など、関連作品に関する資料を展示。地下1階のホールでは、映像「司馬遼太郎と城を歩く-熊本城『翔ぶが如く』」を1時間に1回上映する。

 同展を企画するに当たり、同作を読み直したという上村洋行館長は「小説のようでもありドキュメンタリーでもある書き方で、新しい西郷の見方、視点を感じられた。西南戦争がなかったら今の日本はどうなっていただろうなど、深くでも浅くでも考えてもらえればという願いを展示に込めた。混迷期の今、西郷像、大久保像を見ることによって、自分なりに考える機会の場になれば」と話す。

 開館時間は10時~17時。月曜休館(祝日の場合は開館し翌日休館)。入館料は、大人=500円、高校・中学生=300円、小学生=200円。7月22日まで。

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