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大東市で「ローカル魅力発掘発信ワークショップ」 地元目線で発信、関係人口拡大目指す

提供:ローカル魅力発掘発信プロジェクト 制作:東大阪経済新聞

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 地域住民しか知らない魅力を発掘・発信し、関係人口の創出・拡大を目指す「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」のワークショップが10月9日、アクティブ・スクウェア・大東(大東市深野3)で開催されました。

「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」とは?

 「その土地を、ふるさとと想う人をつくる」をコンセプトに、地域住民とともに住民しか知らない隠れた魅力を発掘・発信し、その地域を「ふるさと」だと想う人の輪を広げようと2020年9月にスタートした同プロジェクト。自治体が、「Rethink」をキーワードに地域社会の課題解決に向けた取り組みを全国で行うJT(東京都港区)の「Rethink PROJECT」、全国の自治体の魅力をふるさと納税サイト「ふるぽ」を通じて発信するJTB(品川区)、震災報道・地域報道で培ったジャーナリズム手法を用いて地域住民がその土地の魅力を発掘・発信するワークショップなどを企画するイーストタイムズ(渋谷区)とともに実施しています。

 宮城県気仙沼市で第1回を開催し、これまで秋田県、岩手県、栃木県などで開催。関西での開催は、今回の大東市が初めてです。会場は、2013(平成25)年3月に閉校になった深野北小学校跡地を活用したアクティブ・スクウェア・大東4階のセミナールームで、会場に12人、オンラインで3人が参加しました。同ワークショップは2回で構成されており、第1回では地域の魅力の発掘発信方法を学びます。

リアルとオンラインのハイブリッドで開催された

地域の魅力って何だろう

 講師は、イーストタイムズ代表社員CEOの中野宏一さん。始めに「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」の説明として、「ローカルの魅力」についての話がありました。中野さんは「観光ガイドに載っているものやネット検索で出てくるもの、テレビで紹介された有名店が本当の魅力でしょうか?」と問いかけます。「地元の人は、本当はもっと魅力を知っているはず、発信されていない自分の心の中にあるローカルな姿が魅力。地元に何もないのではなく、発信されていない魅力がある」とし、地元愛を爆発させ、好きだという気持ちで人を繋げていくプロジェクトだと説明します。

 次に地域の魅力について、実際に配信されたローカルニュースを例に考えます。例えば、山形県のさくらんぼ祭りは、「日本一のさくらんぼ祭りを開催」という見出しでは話題にならず、「流しさくらんぼ」のワードで発信したら読まれたと解説します。続いて紹介した、総務省から出向した湯沢市の副市長がラップを熱唱する動画を紹介した記事は、「正しい切り口を与えたことで海外でも話題になった」といいます。さまざまな事例を挙げ、同じ素材でもいかに相手に伝わる切り口を見つけられるかが重要で、ネット検索では出てこない「現場性」、自分が感動した「個別性」、伝えたい「ストーリー」を伝わるように伝えることがローカルニュースだといいます。まちを歩いて気になるものはニュースになるもので、自分が気になるものを発信すればそれがニュースになる。地域の魅力を伝えるのは、「遠くのプロより、現場の住民」だと話します。

講師のイーストタイムズ中野宏一さん

地域の魅力の「発掘」「発信」方法を学ぶ

 地域の魅力には「まちの魅力」と「人の魅力」があり、その2つの魅力を合わせることで素晴らしいニュースができるといいます。

 「発掘」の方法は、「センサーを全開にして『驚き・発見・感動』を求めて街を歩く」「気になったら自分がどこに感動したのかを考える」「気になった人や詳しい人に話を聞く」「その驚きを最も伝えられる写真・動画を撮る」の4点。「人に話を聞く」を加えると、その情報は10倍面白くなるといいます。過去に参加者が書いたレポートを例にポイントを伝えました。

 次に、ローカルニュースの伝え方です。伝わるように伝えるには3つのコツがあるといいます。1つ目は「内輪ノリをやめること」。日本には昔から省略する文化がありますが、相手が自分と同じ文化を共有していない前提で書かなければ伝わりません。2つ目は「『見出し』と『リード』を取る」です。そのニュースの情報すべてを表現する「見出し」と、見出しを2~3行で説明した「リード」が決まれば、9割は完成だと話します。3つ目は「カギカッコを取る」。相手の話を聞いて自分が感動した部分をカギカッコで伝えることで内容がより魅力的になるといいます。

ワークショップ「見出し」を取ろう

 後半は、見出しを考えるワークショップです。それぞれが一番好きな大東市の「モノ・場所・体験」を選び、その内容を整理して20~30字程度の見出しを考える作業です。同ワークショップの特徴は、課題をフェイスブックグループに投稿するもので、参加者全員の投稿と講師からの講評を共有することができます。

一番好きな大東市の「モノ・場所・体験」を考え、画像を付けて投稿するワークショップ

 最初に投稿されたのは「ズンチャッチャ夜市」です。投稿された内容に中野さんが深掘りすることで、毎月、夕方から夜にかけて開催するもので、幻想的なライトアップと地元アーティストの音楽ライブを楽しむことができ、市内の各エリアから出店があり交流の場となっているということが分かりました。中野さんからは「そこに行けば大東市のいろんな人や魅力に出会える、毎月開催されるズンチャッチャ夜市」という見出しにすれば伝えたい魅力が表現されると解説します。

 愛嬌のあるおじいちゃん2人がいる町中華「大東飯店」の投稿には、知らない人に伝える観点を入れて、「50年間変わらない町の中華屋、駅前の大東飯店」の見出しを付け、店主の言葉をカギカッコで表現し、おじいちゃん2人の写真を入れられればベストとアドバイスしました。

 住道駅前のストリートピアノの投稿では、「夕日が差し込む時間帯にピアノの音色があるとエモい」と内容を紹介しており、「自分がエモいと書いているので共感を産むコンテンツで見事」と評価しました。

投稿された課題をそれぞれ深掘りしていく

 同ワークショップでは第2回までの間に、モノ・場所・体験の3つのテーマの中から地域の魅力を考える宿題を出し、受講者は実際にまちを歩いて魅力を発掘します。第2回では取材した内容をもとに、ふるさと納税サイト「ふるぽ」に掲載する「魅力発掘発信レポート(ハツレポ)」を作ります。

 第2回は11月6日。どんな大東市の魅力が集まるのか楽しみです。

第1回ワークショップを終えて

最後は無言で記念撮影

受講者

地域のPRやまちおこしの事業をしており、SNSでイベントの告知をしているがあまり見てもらえないのでこのワークショップに参加しました。特に、内輪ノリにならないように事実(ファクト)を積み上げて発信することがコツという点などが勉強になりました。

イーストタイムズの中野宏一さん

過疎化が進んだ地方都市でワークショップを開催しており、大東は大都市なのであまり地元に愛着はないのかなと思ったがそうでもなく、地元に思い入れのある人がいて今日は感動しました。こういうセミナーではドタキャンされる場合もありますが、今日は全員出席した上、飛び込み参加もあり、大東市民の熱を感じます。今日の発表で出しきれない様子をひしひしと感じたので、1カ月かければとんでもないものが出てくるのはと期待しています。

大東市 産業・文化部次長 兼 産業経済室長 兼 課長 中村敬治さん

すてきなワークショップでワクワクしました。2回目が楽しみ。気付いていない魅力や知らない話もちらほらあったので、こういう取り組みを重ねていって大東市の魅力を発信していきたいと思います。

JTB ふるさと開発事業部 ふるさと開発事業部長 松村 尚さん

関西にいながら知らない魅力が今日だけでもいろいろ出てきたので2回目が楽しみ。ワークショップ終了後に参加者同士が交流するのもこのワークショップの魅力です。講座の途中で話し出したりする人がいるのは関西だからかもしれないが、今までで一番アットホームなワークショップでした。皆さんが地元の良さを見つけようと過ごしてもらうことで、新しいスポットの発見、出会いとなり、その魅力が全国に発信されていくことを期待しています。

JT 枚方支店 支店長 藤森宏樹さん

JTは地域社会への貢献活動の総称である「Rethink PROJECT」の一環として、「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」へ協力をしています。ワークショップへの参加を通じて、私自身も多くの気づきがあり、特に自分で歩いて探していくという手法が新鮮でした。次回は、ネットで検索しても出てこない街の魅力が出てくると思うので、そこから地域のどんなことに貢献を果たしていけばよいかが見えてくるのではと思っています。

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