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大東市の「ローカル魅力発掘発信ワークショップ」第2回 「ハツレポ」を作ろう

提供:ローカル魅力発掘発信プロジェクト 制作:東大阪経済新聞

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 地域住民しか知らない魅力を発掘・発信し、関係人口の創出・拡大を目指す「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」の大東市でのワークショップ第2回が11月6日、アクティブ・スクウェア・大東(大東市深野3)で開催されました。

「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」とは?

「その土地を、ふるさとと想う人をつくる」をコンセプトに、地域住民とともに住民しか知らない隠れた魅力を発掘・発信し、その地域を「ふるさと」だと想う人の輪を広げようと2020年9月にスタートした同プロジェクト。自治体が、「Rethink」をキーワードに地域社会の課題解決に向けた取り組みを全国で行うJT(東京都港区)の「Rethink PROJECT」、全国の自治体の魅力をふるさと納税サイト「ふるぽ」を通じて発信するJTB(品川区)、震災報道・地域報道で培ったジャーナリズム手法を用いて地域住民がその土地の魅力を発掘・発信するワークショップなどを企画するイーストタイムズ(渋谷区)とともに実施しています。

講師のイーストタイムズ中野宏一さん

 10月9日に続き、2回目の開催となった大東市での同ワークショップ。1回目のワークショップでは、「ローカルの魅力は、観光ガイドに載っている名所名物やネットで検索して出てくるものではなく、地元の人の心の中にある地元の姿」とし、参加者の心の中にある大東市の魅力を引き出しながら、発信する際の文章の書き方などを学びました。

 2回目のワークショップは、前回と同じく深野北小学校跡地を活用したアクティブ・スクウェア・大東4階のセミナールームで開催。会場に5人、オンラインで4人が参加しました。

前回の復習の後、レポート作りに取り組んだ

「ハツレポ」を作ろう!

 第1回では、第2回までの間に「モノの魅力」「場所の魅力」「体験の魅力」をテーマにレポートを作る課題が出されました。受講者は街を歩き、発掘した魅力について調べ、「見出し」「リード」「本文」をまとめ、ふるさと納税サイト「ふるぽ」に掲載する「魅力発掘発信レポート(ハツレポ)」作りに挑戦します。ワークショップでは、受講者の皆さんが作ったレポートを発表し、講師のイーストタイムズ代表社員CEOの中野宏一さんが講評していきます。

街を歩いて見つけた魅力をレポートにまとめる

 前回のワークショップから約1カ月、どのような魅力を発掘したのでしょうか。その一部をご紹介します。

何故、野崎まいり

 「小さい頃に何となく聞いた『野崎小唄』。野崎観音という場所を知り、参ったこともあるがその謂れを知らないので調べてみた」というレポート。「野崎まいり」は、毎年5月1日~8日に行われる行事で、野崎駅から参道には多くの露店が並び、毎年30万人以上の人出でにぎわいます。レポートによると、「野崎まいり」は江戸時代にあった心中事件を題材にした人形浄瑠璃の演目で、歌舞伎や東海林太郎さんの「野崎小唄」などで世に知られるようになり、観光の一つとして野崎観音(慈眼寺)がゴールとなるルートができたといいます。受講者の佐藤さんは、野崎小唄の「野崎参りは屋形船でまいろ」という歌詞から、屋形船のスタート地点となる大阪市・天満橋の八軒家船着場から野崎駅、大東市民俗資料館などを巡った記録を紹介し、「野崎まいりは現在でいうところの『聖地巡礼』だった」とまとめます。講師の中野さんは「これは現場ルポというジャンルのハツレポ。江戸時代におこった聖地巡礼ツアーが今でも野崎まいりという形で残っていて、それを実践してみたのが素晴らしい」と評しました。

大東市北条の鎌池公園にあった楠木の実話をもとにした絵本が出来上がりました

 市営住宅の建て替え事業により出来た「morineki」の街。木造の市営住宅には、広場に面したレストランやアウトドアショップ、山につながる商業棟には、ベーカリーやライフスタイルショップ、ワークショップスペースなどが並び、街は生まれ変わりました。その開発途上で公園にあった楠木が移植も不可能で、やむなく伐採されることになりました。そんな時、その楠木を蘇らせようというプロジェクトが始まり、伐採された楠木は、レストランのサインや店舗のタブレットレジスタンドとして新たな形で蘇りました。その実話をもとに、地域のママさんたちが中心となって絵本を作りました。絵本はクラウドファンディングを利用して資金を集めて制作し、その支援金を活用して絵本を大東市の図書館や幼稚園、保育園に寄贈するそうです。このレポートには、プロジェクトを紹介する動画も添えられていました。中野さんは「どんなニュースサイトでもここまでこの話は深掘りできない。関係する皆さんがこの楠木に思いを持っていたことが分かる本当に素敵なハツレポ」と称賛しました。

だんじりの裏側を知っていますか?

 だんじりといえば岸和田が有名ですが、大東市にもだんじりが存在します。祭りの時以外、だんじりはどうなっているのか、一年を通じてだんじりのメンテナンスをするのが保存会の仕事だと、写真を用いて紹介します。中野さんとのやりとりにより、「ほかのだんじりは金属のベアリングが入っているが大東のだんじりは一回り大きく、木製の駒を使っていて、駒は水に漬けてメンテナンスをする」などといったことが分かりました。岸和田のだんじりのように荒くはなく子どもがゆっくり曳くといい、曲がるときは前輪だけを浮かすなど、一般的なイメージとは違う大東市のだんじりについての話で盛り上がりました。中野さんは「車輪や幕のメンテナンス、お囃子の練習の話も面白い。このだんじりが見られる秋祭りの情報もあると良い」とアドバイスしました。

野崎の歴史ある御菓子司壬生 お茶菓子やお土産にいかがでしょうか?

 JR野崎駅近く、野崎参道商店街の手前にある「御菓子司 壬生(みぶ)」。レポートによりますと、約40年前、ものを作ることが好きだという堂本幸三郎さんが創業し、現在も店主として店に立っているといいます。商品は手間を惜しまず一つ一つ手作りしたもので、野崎観音に由来する「観音雀」、午後には完売してしまうほど人気の「チョコ羽二重餅」、大きな果物を入れた「フルーツ大福」が人気だそうです。受講者は、中でも芋の味をしっかり感じられる「おいもさん」が気に入ったそうで、和菓子が好きだという事が感じられるレポートでした。堂本さんから「これからも今まで通り、一つ一つ丁寧に品物を作っていきたい」というコメントを引き出し、中野さんは「実際に行ってこのカギカッコが取れたのが本当に素晴らしい。ハツレポの鑑!」と絶賛しました。JTBふるさと開発事業部ふるさと開発事業部長の松村尚さんは、「壬生さんのお菓子をふるさと納税の返礼品にさせていただき、ハツレポとお菓子でふるさとの魅力を伝えていきたいので、壬生さんにアプローチしてみます」と話しました。

 ハツレポは、全てJTBのふるさと納税サイト「ふるぽ」に掲載されるほか、一部はJTBの「ふるさと LOVERS」にも掲載されます

大東市でのワークショップを終えて

受講者

市や地域に関わる仕事で情報発信をする中で、大東市の魅力が分からなくなり、行き詰まっていた時期だったので初心に立ち返ろうと参加しました。セミナーを受講して、改めて魅力を発掘することは難しいことだと気付きましたが、技術的な部分を学ぶことができましたので、これからも大東市の魅力を伝えてファンを増やしていきたいです。

イーストタイムズの中野宏一さん

素晴らしかった。地元にずっと住んでいて地元に愛を持って活動をしている人、外から来た人、若い人など、世代を超えて、立場を超えた参加者の構成が大東のセミナーの特徴で、それぞれの視点で要素を語っているのが良かった。魅力を一つに決めるのはおかしなこと。集合体で立体的に街の魅力を見ることができた。

大東市 産業・文化部次長 兼 産業経済室長 兼 課長 中村敬治さん

私自身どのように魅力を発信すればいいか悩んでいましたが、10月9日のみなさんの情熱、熱意を感じて、翌々日には飯盛山の山城が国の史跡指定になったということもありました。本日の皆さんのハツレポについても、私自身生まれも育ちも大東市ですが、身近に普通に生活しているところがすごく魅力があるものだと改めて思っています。行政としても魅力発信をしていかなければいけないと改めて感じました。今日は、元気をいっぱいいただきました。

JTB ふるさと開発事業部 ふるさと開発事業部長 松村 尚さん

大東市を観光地として意識したことは今までなかったが、本日のレポートをお聞きし、大東市だけで十分楽しめる旅のプランができるなと思いました。特に、強く感銘を受けたのは、昔からのものを大事にし、さらにそれに手を加えながら未来につないでいく、それが市民の皆さんの心の中に根付いている素晴らしい街なのだということです。皆さんがハツレポーターになって、大東市の魅力を皆さんの言葉で発信いただくことで、私が感じたような感動を与えることができ、大東市ファンが増えていくと感じました。

JT 枚方支店 支店長 藤森宏樹さん

街の魅力を見つけようと思いながら歩いたら大東はこんな街なんだと分かったので、考えて歩くと違うということを実感しました。皆さんの発表が面白く聞き入っており、行きたいところが増えました。地元貢献、地域の人を元気にする取り組みに参画しており、今までは分かりやすく商店街などと共に活動したりしてきましたが、今日の発表にあっただんじり保存会のように、街にはなくてはならない団体があることが分かりましたので、地域で活動する団体と一緒に地域のためにできることがあるのではという視点で、地域の中で企業としてできることを探していきたいと思います。

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