
川勝親写真展「高井田の町工場」が現在、商業施設「フレスポ東大阪」(東大阪市稲田新町3)2階「東大阪モノづくりミュージアム」で開催されている。
高校・大学時代は写真部で活動し、卒業後はカメラマンとして大手広告代理店の契約社員になったという川勝さん。1985(昭和60)年には、祖父が創業し、父が継いだ川勝溶工所(高井田西)に入社し、1995(平成7)年に3代目社長に就任した。現在は溶接職人として金型などの機械部品修理を専門に行っている。
川勝さんによると、工場写真を撮り始めたのは2009(平成21)年から。得意先から「子どもが後を継がないので、おじいちゃんはこんな仕事をしていたと孫に見せたい」と、廃業前に撮影を依頼されたことがきっかけという。川勝さんは「生まれも育ちも高井田で、小学生時代の同級生も町工場で育った子が多い。もともとは写真を発表するつもりはなく、記録として同級生や得意先の工場や職人の撮影をしていた」と話す。これまでに3万枚以上の工場写真を撮影し、記録として残るよう、写真データを複数人に渡しているという。
川勝さんが撮影するのは昭和から使っている機械や道具が残る町工場で、撮影に行く時は作業着と安全靴で工場に向かう。「自分も職人なので工場内の危ない場所やどういった作業を行うかが分かる。相手も自分を知ってくれているし、撮影していても注意しなくていいので日頃の本当の姿を撮ることができる」と川勝さん。「しゃべりながら普段通り仕事をしてもらい、自分が動いて写真を撮る。自然な状態を撮りたいのでストロボをたかずに撮っている」とも。
同展では、カラーワイヤメーカー「日本化線」(高井田西3)、ひな人形や市松人形を製作する「松よし人形」(荒川1)、銅合金の鋳造を手がける「藤綱合金」(高井田本通1)、レーシングカー製造に始まり、現在ホイールの製造販売を手がける「ハヤシレーシング」(高井田西1)の写真のほか、これまでに撮影した工場内や道具、職人の写真など合わせて40点を展示する。
川勝さんは「写真を見てもらって、おやじさんたちが働いているものづくりの現場を知ってほしい」と話す。
開催時間は10時~20時。入場無料。4月30日まで。