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藤田鉄網商工社長、東大阪市に金網テーマの絵本寄贈 「身近な物と感じて」

絵本「かなあみってなあに?」を寄贈した藤田鉄網商工の藤田靖三社長(左)と野田義和東大阪市長

絵本「かなあみってなあに?」を寄贈した藤田鉄網商工の藤田靖三社長(左)と野田義和東大阪市長

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 東大阪市内に本店を置く「藤田鉄網商工」(東大阪市御厨中1)の藤田靖三社長が12月25日、自身で著した絵本「かなあみってなあに?」を東大阪市に寄贈した。

絵本「かなあみってなあに?」

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 日本金網団体連合会と西日本金網協会の監事を務める藤田社長は1968(昭和43)年生まれ、東大阪市出身。藤田鉄網商工は1937(昭和12)年に藤田社長の祖父が開業し、その流れをくんで1968年に創業した金網メーカーで、絵本の執筆は藤田社長の金網やものづくり、地場産業についての発信の一環。子どもたちにも金網やものづくりを身近に感じてもらおうと11月11日に文芸社から出版した。グラウンドのフェンスやバーベキューの焼き網、マイク、茶こし、山の斜面で使われる落石防止網など、生活の中にある金網を紹介する。

 東大阪市立の保育所、幼稚園、子育て支援センター、図書館などへ123冊を寄贈した式典で野田義和東大阪市長は「私が通っていた小学校の周りは金網の工場だらけで、学校に行く時は金網を作る機械の音を聞き、餅を焼く網をもらったことなども覚えている。今は安全を重視して子どもたちが工場に入ることが少なくなってきているが、物を作る場面は子どもたちの心に残ると思う。この絵本には工場の音なども込められていてとてもいい。子どもたちの未来のため、ものづくりのためになる」と謝意を示した。

 藤田社長は「地場産業の金網は一般的に金網と一つの言葉でくくられるが、亀甲金網、織り金網、ひし形金網、クリンプ金網の4種類がある。これを子どもたちにどのように伝えようかと考えた。金網は主にBtoBの製品で詳しく伝えようとすると専門的になるため、オノマトペを用いて言葉数は少なくし、それぞれの金網の特徴や長所をコンパクトにまとめた。金網を作る機械やおばあちゃんが温かいお茶をいれてくれている絵などを入れ、自分と物、自分と人など、相対するものへの思いを育むきっかけになればと仕上げた。読み聞かせてもらうことによって、ものづくりの素晴らしさはもちろん、物を作る人の思いや完成するまでのストーリーがあることに気付いてもらえたら」と話す。

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