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司馬遼太郎記念館で没後20年企画展 30代後半からの10年に焦点

「司馬遼太郎の軌跡2 『竜馬がゆく』~『坂の上の雲』『花神』」

「司馬遼太郎の軌跡2 『竜馬がゆく』~『坂の上の雲』『花神』」

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 司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で現在、没後20年記念企画展「司馬遼太郎の軌跡2 『竜馬がゆく』~『坂の上の雲』『花神』」が開催されている。

初公開の自筆原稿などを展示

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 昨年秋から、作家活動を始めたころからの初期作品を振り返る1回目の企画展を開催。2回目の今回は、「竜馬がゆく」の連載が始まった1962(昭和37)年から「坂の上の雲」「花神」の連載が終わる1971(昭和46)年までの10年に焦点を当てた。

 展示ケース内には、司馬さんの自筆原稿や司馬さんが書いた「竜馬がゆく」の題字、挿絵、掲載誌、司馬さんの写真など、初公開22点を含む59点を展示。「壮年期の執筆量のイメージを通じて創作状況を見てもらうのが今回の企画」といい、この10年の間に執筆した新聞や週刊誌・月刊誌に連載した小説を連載期間がわかる形で図示した年表も作った。

 年表からは、司馬さんが40歳だった1963(昭和38年)や1966(昭和41)年には、同時に7本の連載を抱えていたことが見て取れる。この間、短編小説やエッセー、対談などもあり、館長の上村洋行さんは「この時代に一緒に生活をしていて、たくさん書いているイメージはあったが、テーマが違う新聞小説を時には3紙も連載していたことが分かりびっくりした」と話す。

 この間に出版された79冊の本はミニチュア本で表現。年表には各年の出来事を表記し世相がわかるようにした。この10年は「戦国時代や幕末など、ベストセラーになった作品が多い時代。エネルギー、意気込みを感じさせる作品が多い」といい、仕事量は、連載小説27作品、中編小説2作品、短編小説52作品、対談90回、エッセー359作品、戯曲1作品にのぼる。「いずれの作品もまだ書店に並び現代に続いている。現代から執筆した時代に行って戻ってくる。それを味わってもらえたら」と上村さん。

 没後20年記念企画として今秋からは、西日本を中心とした巡回展も予定する。

 開館時間は10時~17時。月曜と9月1日~10日休館(月曜が祝日・振替休日の場合は翌日休館)。入館料は、大人=500円、中学・高校生=300円、小学生200円。10月30日まで。

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