東大阪市文化創造館開設準備室が1月21日、近鉄奈良線・八戸ノ里駅北約200メートル、旧中央病院跡地に建設する「東大阪市文化創造館」(東大阪市御厨南2)の設計説明会を開いた。
施設の老朽化に伴い2015年6月に閉館した旧市民会館と、2014年12月に閉館した旧文化会館の機能を集約し建設する同館。同事業には民間事業者のノウハウを活用してサービスの質の向上を狙い、効率化により事業費の縮減などが期待できるPFI事業の手法を導入。入札で大林組グループを選定した。
昨年10月から施設の設計業務に着手し、基本設計がおおむね固まったことから、市民に向けた設計説明会を開催。前半では、「感動を生み出す工場」を目指して「鼓動・協働・躍動 ワタシをうごかす場所~ワクワク・感動工場」をキャッチコピーとする基本コンセプトや管理運営方針、事業スケジュールなどを説明。クラシックコンサートやミュージカル公演、伝統芸能、アート作品展示など、舞台芸術や芸術作品の鑑賞機会を提供する鑑賞事業を年25回、出張演奏やワークショップ、ロビーコンサートなどの普及事業を年18回、市民参加型のフェスティバルやコンクール、市民オペラなどの参加事業を年4回行うと発表した。
敷地の南西角には街角広場を設け、ロビーや創造支援室、カフェレストランが一望できる構造とし、広場や敷地外周には市の木であるクスノキやヤマザクラ、市民の花キキョウ、市の花ウメなど四季折々の植栽をちりばめ、街の景観に寄与。
館内は、1500席の大ホール、300席の小ホールのほか、レセプションや研修などに使用できる約250平方メートルの多目的室、音楽スタジオや音楽、演劇・ダンス、会議・研修、アートなどの目的で一般利用できる創造支援系諸室を19室設ける。カフェレストランは公演のない日も一般利用が可能。
防災面では、建築基準法の1.3倍の保有水平耐力を確保した構造体とし、最大浸水想定から1階の床を道路から約1.5メートル高く設計。災害時の緊急用マンホールトイレの設置や備蓄倉庫なども備える。館内は段差のないバリアフリーな計画とし、ベンチと手すりをロビー各所に設置。ホール内部各階には車いす席を設け、子ども同伴の利用者に配慮し、親子室、キッズルームも設けるという。
設計説明の終了後には、集まった市民から周辺道路の整備やホールの仕様、多目的室をはじめとする創造支援系諸室の設備や利用方法、防災計画などについて質問が相次ぎ、質疑応答は制限時間いっぱいの1時間行われ、市民の関心の高さがうかがえた。
市文化創造館開設準備室では今後、不定期発行の「ワクワク・感動工場ニュース」や市政だよりで進捗(しんちょく)状況を報告していくという。