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大阪商業大学で企画展「はかりの文化史」 近世から現代まで計量文化たどる

さまざまな「はかる」道具を展示

さまざまな「はかる」道具を展示

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 大阪商業大学商業史博物館(東大阪市御厨栄町4、TEL 06-6785-6139)で10月20日、秋季企画展「はかりの文化史」が始まった。

ギリシャ神話の女神テミス像や、古代エジプトの「死者の書」の複製

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 いつの時代も生活必需品である、長さや質量、体積、角度、広さなど、さまざまなものを「はかる」道具を集め、計量文化の移り変わりを振り返る同展。大阪日本橋で計量器店を営む傍ら、計量器のコレクターでもあった故・匠原(しょうはら)永治さんの遺族から寄贈を受けたコレクションを中心に、4部構成で150点の史料を展示する。

 1部「さまざまな計量」では、洋裁用のカーブ尺や真珠の大きさを測る玉尺など長さや大きさを測るものや、さおばかりや天秤など質量を量る道具、穀物や液体の体積を量る升などが並ぶ。現在の一升升の原型となった京升は、それまでの一升升の縦横を一分ずつ縮め、代わりに深さを二分深くして、一見入る量が同じであるように見せかけて年貢の増収を図ったと伝えられるもので、江戸時代に全国の標準升に位置付けられたという。毛髪の性質を利用して、晴れの日には女性の人形、雨の日には男性の人形が出てくる「晴雨(てりふり)人形」やアルコールの計測に使う酒精度系、そろばんや計算機など、さまざまな計量の道具を集める。

 2部は、1916(大正5)年に創業した匠原計量機械店を紹介する展示で、写真や組合史、帳簿、看板などの史料で匠原家の歴史をたどる。3部は、はかりを切り口にしたトピックス展示で、天秤と正義の剣を握るギリシャ神話の女神テミス像や、古代エジプトの「死者の書」の複製、平賀源内が作った、現在の万歩計のように歩数を自動計測する量程器や、タルモメイトル(サーモメーター、複製)、大阪府文化財センターが保管する弥生分銅などが並ぶ。4部は商業史と関連したトピックス展示で、計量器や計量啓発の広告、両替商の道具、計量器をデザインした小物などを集めた。

 期間中は、ギャラリートークや関連講座、シンポジウムなどを開催。11月24日には、両替天秤で量って鉛の重りを銀貨に見立てて作る体験講座を開く。いずれも申し込みが必要。

 開館時間は10時~16時30分。日曜・祝日休館(10月28日、11月23日は開館)。観覧無料。11月30日まで。

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