東大阪市指定文化財の旧河澄家(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で11月9日、企画展示「河内木綿展」が始まった。
河内地方では江戸時代初期から綿の栽培が行われ、1704年の大和川の付け替え以降、より広範囲に栽培・収穫されるようになり、それまでの綿布に加え、実綿・繰(くり)綿が売買の対象となり、河内木綿の名は全国に知られるようになった。
会場では、河内木綿の歴史や流通経路、「河内名所図会」(1801年刊)に描かれた糸紡ぎから機織りまで行われている屋敷の風景、江戸中期以降に分業化が進んだ分業の種類などをパネルで紹介。旧河内木綿問屋・萩原家(現・八尾市恩地中町)に残る木綿問屋「山根組(やまんねきぐみ)」の法被と帯、白木綿の反物を展示する。
綿栽培について解説するコーナーでは、大蔵永常が書いた綿花栽培の技術書「綿圃(めんぽ)要務」を基に、半田の畑に綿を、田に稲を作っていたことや、河内木綿の栽培に使う農具の種類、肥料と水の与え方から収穫・販売までの工程をパネルで紹介。綿から綿布になるまでの工程は、道具と共に説明する。期間中、綿繰り体験を随時開催する。
会場では、河澄家の家紋が入った着物と風呂敷、交野機織り教室の生徒が織った反物なども展示。
「河内木綿の産業、綿の栽培に関しては今まであまり展示していなかったので注目してほしい」と学芸員の川崎有里紗さん。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入場無料。12月15日まで。