枚岡神社(東大阪市出雲井町、TEL 072-981-4177)で12月23日、「注連縄掛神事(しめかけしんじ、通称=お笑い神事)」が執り行われる。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れた際、同神社の主祭神として祭る天児屋根命(あめのこやねのみこと)の祝詞と神々の笑い声が気になり天照大神が出てきたところを、もう戻らないようにとしめ縄を張り渡したという、しめ縄の起源とされている岩戸隠れの神話にちなんだ神事。
同神社では毎年しめ縄を新しく掛け替える際、一年の嫌なことを笑い飛ばし、新年の開運を願う神事として斎行。以前は宮司と氏子総代だけで行っていたが、2009(平成21)年から一般参加型で執り行っている。東大阪市の無形民族文化財に指定されている同神事は、参拝客と共に20分間笑い続けるユニークなもので、昨年は3000人超が開運を祈願した。ここ数年は外国人の参拝も増えている。
当日は8時30分から氏子総代が新しいしめ縄を作り、10時ごろから神事が執り行われる。神事では宮司の先導に続き「アッハッハー」と3度笑い、その後20分間、自由に笑い続ける。毎年笑い始めは遠慮がちな人も見られるが、周囲につられ、すぐに境内が笑い声に包まれる。
神社内の参集所では11時から、落語家の桂福団治さん、桂文五郎さん、シンデレラエキスプレス、代走みつくにさんが出演する「笑納演芸会」を開催。木戸銭は1,000円。参道広場では、表情や笑い方を競う「お笑い競(くら)べ」が行われる。午後からは、大道芸や演舞など演芸が披露されるほか、古事記の勉強会なども行われる。
17時からは、天の岩戸の神話を再現した「天の岩戸開き神事」を行う。同神事は今年4回目の斎行を迎え、祝詞や舞、太鼓が鳴り響き、幻想的な空間に包まれる。
会場では甘酒や「笑福汁」の授与のほか、地域の店が出店し、柿の葉ずしや焼き鳥、水ギョーザ、パン、コーヒーなどを販売する。