大相撲初場所で幕内初優勝を果たした徳勝龍関が2月3日、母校の近畿大学(東大阪市小若江3)を訪れ優勝を報告した。
徳勝龍関は、同大学在学中に木瀬部屋に入門し、2009(平成21)年に経営学部を卒業。同大学相撲部OBでは、朝潮(高砂親方)、旭富士(伊勢ヶ濱親方)、朝乃山関に次いで4人目の幕内優勝で、幕内最下位の幕尻の優勝は、2000(平成12)年春場所の貴闘力以来20年ぶり、2人目の快挙となった。
報告会では、同大相撲部監督で場所中に急逝した恩師・伊東勝人さんへ黙とうをささげた後、細井美彦学長が「令和になって初めての初場所でOB徳勝龍関が優勝されたことを誠に誇らしく思っている。これからも時代を照らす関取として活躍してほしい」と徳勝龍関を激励した。
相撲部の田端昌平部長は「土俵下でのインタビューの姿が、普段の明るく飾らない徳勝龍関そのものの姿だったのでうれしくなった。インタビューで監督が土俵の上で一緒に戦ってくれていると話していたがその通りだと思う。伊東監督の急逝で、自分の体の中の遺伝子を強く意識されたのだと思う。これからも心の中におられる伊東監督と対話をすれば、英知と強さを得られるはず。まだ33歳、これからもファンをあっと言わせ続けていただきたい」とエールを送った。
今後の活躍を期待し、近畿大学水産研究所大島事業場で育てた重量47キロの近大マグロが贈られると、徳勝龍関は「伊東監督と一緒に戦った15日間だった。監督がいなかったら今の自分はないと思っている。来場所は大阪場所なので、しっかり土俵の中で暴れたいと思う」と来場所への意気込みを語った。
報告会後、徳勝龍関は「マグロが意外と大きかった。近大マグロはおいしいと聞いているので、どうやって食べようか悩んでいる」と笑顔を見せ、「監督に出会ってなかったら大相撲にも近大にも入っていなかった。近大に入って強くしてもらったので感謝しかない」と話し、前日に伊藤さんの自宅を訪れ、優勝を報告したことを明かした。最後には、用意された近大マグロ入りの特製恵方巻きを丸かぶりし、笑顔を見せていた。